No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2013年1月15日 かわむら


お肉全般が好きなのだが牛肉だけは別格である。
普段は焼肉中心の牛肉生活を送っているが、牛肉の旨さを追求すればするほど、やはり本格的なステーキ屋さんで食べるステーキの凄みが良く分かってくる。
特にヒレの火入れに関しては、独自の世界観を持っているのが河村さん。
河村さんの考える和牛の良さの全てが、お皿の上のヒレで表現されているのだ。
旨みや香りよりも繊細な食感と喉越しを追求したステーキ。

色々なステーキ屋さん、焼肉屋さんで数え切れないほどのヒレを食べてきたが、それらとは全く違ったヒレである。
私の個人的なイメージでは、それは肉のポテンシャルに由来する部分よりも、圧倒的に河村さんの焼きによるものだ。
あまりに突き抜けたステーキ故、世間一般で"かわむら"と同じようなカテゴリーに入っているような高級ステーキを食べ慣れている人ほど、このステーキの凄さを感じるだろう。

『日本一旨いステーキ』かどうかは、私には分からない。
そう感じる人もいるだろうし、もしかしたら、そう感じない人もいるだろう。
ただ、『日本で"かわむら"でしか食べれない至高のステーキ』だと思う。
河村さんの黒毛和牛のヒレに対するアプローチ、それに触れ、私はこの奥深い世界にどっぷりを浸かっている自分に気づいた。