No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2013年2月6日 銀座 コバウ

行くたびに変化があるお店"コバウ"。
素材の良さは都内トップクラスであることは疑いようもないが、それを活かす技術がメキメキと上がってきていることに驚かされる。
黒毛和牛のミンチ入り豆腐のムース
お通しの豆腐のムースにはミンチが乗っているが、このミンチが思いのほかお肉の味がしっかりしている。

タン刺し、タンしゃぶ
黒毛和牛のタン元の薄切りが綺麗に盛られているが、これを最初は刺身で、後半はしゃぶしゃぶで頂く。
刺身はタン本来の甘みが強く、食感も官能的。
ポン酢や山葵醤油で食べたが、タンの甘みが際立つ山葵醤油が特に好みであった。
牛骨と昆布でとった出汁でしゃぶしゃぶにすると、甘みは勿論、食感や舌触りまで全く違った姿に変貌する。
この1品で何種類もの味わいに出会える。
満足度 5


シャトーブリアン
分厚いシャトーブリアンは、その厚さを感じさせないほど繊細な食感で絹糸のようだ。
そして驚くべきはその旨み。
他の部位では決して味わえない、透明度のありながらしっかりしている旨みを感じる。
あまりに衝撃的だったので話を聞くと、岩手の佐々木さんの雌牛だが、月齢はなんと37カ月とのこと。
満足度 5+

リブ芯
"コバウ"定番のコバウロース。
甘みの強いタレにも負けないリブ芯の味わいがあり、上品でふんわりとしている。
満足度 4

カイノミ
1切れ何gあるのか考えてしまう厚さで、見ただけでは部位が分からなかったほど素晴らしいカイノミ。
一口食べると、一気に肉汁が広がる。
お肉自体は言うことないレベルであったが、これをほんのもう少しだけ薄くして、片面に格子状の隠し包丁を入れたら、感嘆の声があがったかもしれない。
満足度 4

黒毛和牛タン3種盛り
生の黒タンを贅沢に3種盛りにしてある。
薄切りのタン中は、タン中と呼ぶには恐れ多いレベル。
満足度 5


シンシン
一瞬シンシンとは分からなかった部位。
繊細さがありながらも、奥歯を押し返す旨みがある。
満足度 4

ビーフシチュー
箸休めだが、ちょっと流れに重さもあるかも。

蒸篭蒸し
贅沢なリブロースを蒸篭で蒸し上げ、野菜を一緒に食べる。
以前食べた時より、野菜の食感が活きていて、よりリブロースの存在感を引き立ててくれる。
満足度 4



すきしゃぶ
またもやリブロース登場。
すき焼きとしゃぶしゃぶの中間的なメニューで、ネギの甘みと食感がリブロースの旨さを押し上げる。
満足度 5

毎回肉質には満足している"コバウ"だが、今回もお肉達のレベルも驚くほど高い。
そんな"コバウ"から嬉しいニュースがあった。
私が過去に食べたお肉の中でリスペクトしてやまない川岸牧場のお肉を仕入れるということだ。
しかも、3月5日には川岸さんが東京まで来てくれ、川岸さんの但馬牛(神戸牛)を食べながら、ご自身のこだわりについてのお話をしてくれる会が"コバウ"である。
日本の黒毛和牛の地位をここまで確立した但馬牛の生産者の中でも匠といえる川岸さんのお肉を食べたい方、話を聞きたい方、間違いのない旨さの焼肉を食べたい方、そういった方はぜひこの会に参加してみてはいかがだろう。
勿論、私の既にお店に予約をしています。