No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2013年3月17日 横浜 うかい亭


今年でちょうど10年目の結婚記念日。
結婚前から通っていた"うかい亭"は、今では毎年結婚記念日に必ず訪れるお店になっている。
今回も私の好みを知り尽くしている料理長に身を委ねて、食事を楽しんだのだが、その中でもステーキに関しては、その素材の良さはもちろん、火入れの技術にはただただ感服するしかない。
いかに"うかい亭"の焼き手の方々が大勢いようとも、ここまで素材のポテンシャルを全て出し切れる方がどの位いるのだろうか。


シャトーブリアンは両面が薄紙のように焼き目が付けられ、サクリとした仕上がりになっている。
大袈裟に表現すれば、クレームブリュレのような焼き上がりと言えるかもしれない。
また、肉自体の水分は程よく飛ばされているが、それがパサツキではなく、凝縮した旨みに繋がっている。


初めて食べたのがイチボで、これは田村牛とのこと。
ここまで旨みが凝縮したイチボは滅多に食べれないのではないだろうか。
サシはしっかり入っているが、サシの甘みは赤身の旨みを押さえつけることなく、むしろ赤身の旨さを引き立てている。



肉の焼き方を追求し始めると、つい安易に炭火に走りがちだが、この火入れを体験してしまうと、鉄板焼きでしか味わえない焼き上がりに酔いしれてしまう。
ただ、個人的には鉄板での火入れは炭よりも難しく感じるし、私の知る限りでは"横浜うかい亭"の小池さん以上の鉄板での焼き手を知らない。