No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2013年7月 西洋料理 島


その類稀な味わいのステーキに魅せられて何度か行っている"島"だが、前回訪問時の衝撃は今までで一番であった。
大島さんの焼き加減は毎回素晴らしいのだが、とにかく前回はお肉自体の旨さが爆発的に良かった。
その余韻が一向に抜けず、むしろ日々"島"への思いが強くなり、間隔を開けずにすぐに再訪してしまったのだ。
この日は兵庫の太田牧場の但馬牛で、"島"で最もよく使われている牛だ。
ヒレ
300g超の塊で焼いてもらったシャトーブリアンは、運ばれてきた瞬間から圧倒的な存在感を放ている。
ナイフを入れると現れる艶やかな断面からもれる香りが心地良い。
贅沢に大きめなカットで口に入れると、シャトーブリアンらしい繊細さと分厚いカット故の力強さが感じられ、内側から溢れる旨みが感じられる。
満足度 5


ロース
一噛み毎に口の中で爆発するサーロインの存在感。
脂の甘みはあるが、嫌なくどさは感じられない。
ただ赤身自体の旨みは前回と比べると、正直物足りなさを感じる。
また肉繊維の粗さが舌に残るのがちょっと残念。
満足度 4


今回の個体は兵庫の太田牧場の但馬牛で、"島"でよく提供されている。
今までにも何度か食べているとは思うが、やはり個体差があるのは仕方ないところだろう。
それとは別に、やはり大島さんの火入れの見極めも相変わらず素晴らしい。
お客さん全員を優しく包み込む大島さんの笑顔とお肉を見つける真剣な眼差しが"島"のステーキを作り上げている。