No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2013年10月11日 ゆうじ


ハラミは、私が最も好きな部位の中の1つだ。
野性味溢れる荒々しい食感と肉汁が堪らないが、時にはハラミとは思えないような繊細な食感のものに出くわすこともあり、これはこれで至福の時を約束してくれる。
また、刺身良し、薄切り良し、厚切り良し、塊良し、といった具合に多様な食べ方にも見事に応えてくれるのがハラミだ。

この日"ゆうじ"で出してもらったハラミ盛合わせは、ハラミの更なる可能性を感じさせてくれるものばかりだった。
あえて肉繊維を残すようにカットされたハラミをたっぷりの葱と一緒に食べる。
長い肉繊維にキープされた大量の肉汁と熱によって甘みを増した葱の旨さが渾然一体となった素晴らしさ。


ハラミの筋は縮み過ぎないよう格子状にカットが入れてあり、筋にじっくりと火を入れることによって甘みが引き立つ。

厚切りのハラミは塩で。
こちらには適度に隠し包丁が入っており、ハラミの塊と格闘しながら食べると言うよりは、料理として仕上げた厚切りハラミといった印象で、これが実に旨い。

更には軽い口当たりでさわやかな甘みのタレで薄切りのハラミも。
昔ながらの王道のハラミでありながら、どこかモダンな雰囲気も感じさせてくれる。

ハラミだけでこれだけの変化を見せてくれるお店のポテンシャルは計り知れない。
勿論ハラミ以外も素晴らしいのは言うまでもない。
通わねば辿りつけない"ゆうじ"の頂。
一度は上り詰めてみたい。