No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2014年11月12日 銀座 コバウ


焼肉不毛の地というイメージが強い銀座にあって、人に勧めたくなるなるほどの焼肉屋さんがある。
長年の経験から選ばれた確かな血統の子牛を長期肥育する生産者を絞り、極上の雌牛のみを出しているのが”コバウ”だ。
この日は、昔ながらの小振りな牛を育てる山形の斉藤さんの牛や、私が生れて初めて食べ物で感動した田村さんの牛などが並んでいた。
“コバウ”では素材への拘りだけではなく、その素材の凄みを最も感じることが出来るようなコースが組まれている。
今回は3種類あるコースの中の真ん中のコバウコースを。
炙りユッケ
一般的なユッケのカットではなくスライスカットで。


新鮮レバ

上タン
綺麗にサシが入った上タンは艶やかなピンク色で誘ってくる。

シャトーブリアン
いったい枝肉はどの位小振りだったのかと思うほど小さな判と、細かく均質に入ったサシは最上級の証。
こういった素材に出会うと、必然的にトングを握る手にも力が入る。
焦らず時間をかけ、肉の声に耳を傾ける。
肉と自分がシンクロする頃に焼きあがったシャトーブリアンは、舌を押し上げるような力強い旨みと清楚な女性を彷彿させる繊細な舌触りが共存する。
文句無しの最強の1皿。
ちなみにこれは田村牛。


サーロイン
こちらの田村牛で、焼いてから和風出汁に漬けてあっさりと食べる。

肩三角
肩三角というと硬いイメージがあるが、それを感じさせない薄いカットと、赤身自体の柔らかさがある。

ハラミ

牛骨出汁の梅スープ


シンシン

巻き
しつこさがなく、ぷるっとした不思議な巻き。
脂の甘みも上品。

すき焼き(和風)
煮込むタイプのすき焼きで、部位は肩ロース。

すき焼き(韓国風)
辛味と甘みが複雑に絡み合った味付け。

田村さんのシャトーブリアンを始め、圧倒的な仕入れ力は本当に素晴らしい。
銀座で焼肉といえば間違いなく“コバウ”というのがよく分かる。