No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2015年2月13日 加藤牛肉店 GINZA

加藤牛肉店店主・加藤さんと初めて話したのは昨年9月。
一見すると勤勉さよりもちょっとヤンチャな印象を受ける加藤さんだが、肉に対してここまで理論的に分かりやすく説明をしてくれる方に出会ったことがない。
自ら肉に触れる圧倒的な経験値と時間を惜しんで積み重ねた研究成果を持ち合わせているのが加藤さんだ。
そんな加藤さんが選びに選んだ山形牛の『飛び牛』を食べに銀座まで。
"加藤牛肉店"のコースは1本。
アミューズは手ほぐしのコンビーフ
1本1本がしっかりとした食感で牛肉の味が活きたコンビーフ

さらに牛刺し。
肌理の細かなサシが入ったザブトンだが、滑らかなバターような脂はどこまでも甘く、口の中全体を覆い尽くす。
それでいて一切のしつこさがない。
これほど上質な脂には滅多にお目にかかれない。


コンソメは香りもよく旨い。

普通ならここでステーキだが、"加藤牛肉店"ではその前にハンバーグ。
だが、量は少なめなので女性でもペロリだろう。
ジューシーなのだが、脂ではなくしっかりと肉の旨みで勝負する正統派。
それでいてホロホロとした柔らかさも秀逸。


メインのステーキはランプ、シャトーブリアン、サーロインの盛り合わせ。


ランプはとにかく肉の味が濃い。
決して溶けるような部位ではないが、味の凝縮感は他の部の追随を許さない。


ランプと同じ赤身ではシャトーブリアンは全く違った印象を持つ。
凝縮感よりもふんわりと広がる旨みがあり、その肉繊維はどこまでも繊細で柔らかい。


サーロインだけは他の部位とは違った焼き上がり。
表面が高温でカリッと仕上がり、中のトロリとした食感とのコンストラストがすごい。
肉の味とサシの甘みのマリアージュも言うことなし。
申し分ない最高のサーロインだ。


〆はコンビーフ卵かけご飯をセレクト。
鰹節とコンビーフの相性が良く旨い。

今まで何度か食べている加藤さんの山形牛だが、この日のそれはその中でも特に素晴らしかった。
肉の味はもちろん、脂の甘みと軽さのバランスにはただただ驚かされた。
旨い肉を食べたいなら、すぐにでも飛び込むべきお店だろう。