No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2015年2月26日 炭火焼肉 なかはら


市ヶ谷の地にて幕を開けた伝説第二章。
やはり『悶絶コース』を食べないことには、その真の全貌を知ることはできない。
肉そうめん
生肉を素麺のようにカットされた生肉を熱々の出汁に潜らせて食べる。
滑らかなサシが出汁の温度で溶け出し、甘みが口の中で一気に広がる。
満足度 4

ユッケ
正真正銘のユッケ。
旧友との再会を喜ぶかのように一気に味わう。
奥歯に押し込まれ、その度に旨みが溢れる。
咀嚼の回数だけ幸福が訪れる。
満足度 4

バクダン
もはや鮨屋のメニューだが、これが驚くほど旨い。
それぞれ食材の食感が奏でる協奏曲に小躍りしたくなる。
満足度 5


握り
通常の握り、トロタク、炙りの3種。
生肉禁止の影響で最近はあまり見かけなくなってしまった牛肉の握りだが、当時の握りはご飯の上に生肉を乗せただけという何ともお粗末なものばかりであった。
しかし、”なかはら”の握りのクオリティは比べ物にならない。
シャリの硬さと温度、ネタの厚さやシャリとのバランス、全てが焼肉屋さんのレベルを超えている。
満足度 4

幻のタン
タン先、タン元、タン筋というタンの全てを味わえる3種。
タン先と言っても、そこまで先っちょというわけではなく、適度な噛み応えと味の濃さのバランスが良い。
サシが入り、艶やかな色気を放ているのがタン元。
サクっと僅かな抵抗だけを前歯に残し、一気に香りが鼻に抜ける。
サクサクの食感のタンはある、たっぷりとサシの入ったタンもある、しかしここまで肉汁に味が乗ったタンが他にあるだろうか!?
満足度 5

ガリ
肉繊維を喰いちぎるように歯を立てると、メリメリと肉繊維がはがれる。
最初に塩ダレのインパクトが来て、それを応用に肉本来の旨みが押し寄せる。
満足度 4

シンシン
“なかはら”らしい見事な薄切りでタレがよく馴染む。
味わいと舌触りの均一さが秀でている。
満足度 4

ミスジ
ミスジの何を感じさせたいのか、中原さんのそんな思いが伝わるような1枚。
柔らかさを否定する人も稀にいるが、やはり柔らかさや滑らかさは焼肉において実に重要な要素だと実感できる。
満足度 4

ヒレカツ
粗めでしっかりとした衣だが、これが逆にヒレの繊細さはしっかりと伝えてくれる。
ヒレが持っていないもの全てを補ってくれるのが衣で、水分と旨みの凝縮感を絶妙なヒレカツだ。
満足度 4

アキレス腱
河豚皮のような食感で、あっさりとしていて旨い。
満足度 4

しゃぶしゃぶ
見事なサシが散りばめられた美しいロースは、雌としてはかなり大判。
濃厚な出汁の中に大量のネギを投入し、そこでロースをしゃぶしゃぶ。
主役はあくまでも肉、それを引き立てる名脇役達。
見た目のサシからは想像できないくらいあっさりとしたロースは、何枚でも食べれる、いや何枚も食べたくなる旨さ。
満足度 4



時代と共に変化してきた『悶絶コース』。
初めてのその世界を知った時のような暴力的な量と、それぞれの旨さで悶絶させる姿から、最後まで食べれる流れと量、そしてそれぞれの旨さで悶絶させる姿に。
この変化は進化。
圧倒的な破壊力も素晴らしかった。
そして今の洗練された美しさもまた素晴らしい。
店主・中原さんの魂がこもったコースに悶絶させられた。