No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2015年3月10日 金竜山

ここ最近は神格化されつつあるため、以前にも増して拍車がかかった予約の困難さ。
粉雪が舞ったかのような霜降りのお肉。
特にカルビは並から中、上、特上といった具合にどんどんと霜降り具合が増していく。
これらがかつて”金竜山”を雪山に例えた所以だ。
昔は月一で雪山登頂に挑んでいたものだが、最近は年一か年二程度なのだが、久しぶりの雪山登頂に気分が高揚する。
上タン塩
ここが山の入り口。
舌を食べてから険しい山に挑む。
“金竜山”の特徴の1つがこのタンのカット。
繊維に対して縦ではなく横に近い向きに包丁を入れ、薄切りの大判を実現している。
薄切りゆえのカリッとした仕上がり、大判だからこその口の中でのボーリューム感、これが合わさり非常に高い満足度が生れる。
満足度 5

並カルビ
並カルビは日によってバラつきがある。
1つのお皿の中にも切り落としのようにバラつきがあるのだが、オススメするのは脂が多いもの。
細かなサシに拘らず、とにかく脂が多いもの。
“金竜山”制覇は鍵がここにあるのだが、とにかく脂とタレのマッチングが最強なのだ。
肉に味がなくても、このタレと脂で白米がすすんで仕方ない。
満足度 3

上ミノ
山の登頂にするには途中で休憩が必要であり、ホルモン類がそれにあたる。
厚切りのミノに深く入った切り込みによって、ザクザクとした食感が活きている。
満足度 4

コブクロ
実は私のコブクロ好きは”金竜山”で始まった。
が、残念ながらこの日のコブクロは鮮度がイマイチ。
満足度 2

中カルビ
再び登頂を再開すると、一気に雪が深まり、並カルビとは比べ物にならないサシの中カルビへ。
“金竜山”では薄切りのザブトンが中カルビ。
タレにたっぷりと潜らせ、白米の上でバウンドさせてから頬張る。
極薄カットでザブトンは溶け、肉汁とタレのマッチングはここに極まる。
正直、肉の味を意識するとそれがほとんどないことが分かるのだが、何も考えずに頬張れば、そのマッチングにただただ笑みがもれる。
タレの旨みとニンニクが完璧すぎる。
満足度 5

上カルビ
雪もかなり深くなってきた。
部位はトモサンカクだろうか!?
こちらも肉の味は弱いのだが、溶け具合とタレで非常に旨い。
満足度 4


上ハラミ
山頂を目前に小休止。
赤身のがっしりとしたサガリは肉の味が濃く、タレにも負けていない。
満足度 4

特上カルビ
粗サシだが立派なサーロイン。
ここまで霜降りが続いても食べやすいタレには驚かざるをえない。
満足度 4


特上ロース
“金竜山”という雪山の山頂はこの特上ロース。
細かなサシがびっしりと入ったサーロインかリブロースの頭。
食感もタレとのマッチングも言うことなしで、これぞ焼肉の1つの答えという気がする。
満足度 4


かつてはドハマリした正肉も、牛肉に対する経験値を相当積んだ現在となってはどれも味が弱く、脂の質もそこまで上質ではない。
基本的には黒毛和牛の去勢メインなのだろう。
しかし、魔法のタレに潜らせると、肉がタレの旨みをまとい、脂の重さも感じさせなくなる。
そしてご飯との相性も最強すぎる。
白金の住宅街の中にぽつんとある隠れ家的雰囲気、ノスタルジーを感じさせる店内、そしておばちゃんの存在。
これら全ての要素が”金竜山”という存在をより際立たせ、訪れる肉好きを虜にしていく。
いつまでも存在し続けて欲しいレジェンドだ。