No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2015年3月31日 神戸牛ステーキ IDEA


和牛を食べ込めば食べ込むほど、自分の追い求める理想が浮き彫りになってくる。
そして、私は純但馬血統である神戸ビーフが大好きだ。
だからこそ問いたい。
本当に旨い神戸ビーフを食べたことありますか?
残念ながら東京で感動するような神戸ビーフに出会うのは難しいように感じる。
ただサシがたっぷり入っているだけで、肉の味はほとんどせず、脂は重く、1切れで箸が伸びなくなってしまうような物ばかりに遭遇する。
当然のことだが、純但馬血統の神戸ビーフといっても、月齢は27ヵ月程度の物もあれば40ヶ月ほどバラバラだし、そのほとんどが去勢だ。
東京で本当に旨い神戸ビーフに出会うことは、実は難しいのではないだろうか!?
個人的に東京で間違いのない神戸ビーフ(三田牛)が食べれると思っているのは”あら皮”。
しかし通常”あら皮”はそうそう行けるようなお店ではない。
そこで今急激に”あら皮”に追い付き、追い越そうとしているのが”イデア”。
「神戸牛ステーキ」を看板に挙げているが、日々より良い神戸ビーフを追い求めることで、東京では手に入れずらい最高の生産者達の肉が集まり出している。
この日の神戸ビーフヒレ、サーロイン、イチボの3種類だが、驚くことに全て川岸牧場のもの。
32、33ヶ月の雌のみの神戸ビーフだ。

特選黒毛和牛のタン厚切り炭火焼ステーキ
イデア”を訪れたのであれば、ステーキの焼き上がりを待ちながら、前菜は必ずタンのステーキを頼むべき。
神戸市場から取り寄せるタンは但馬牛のタン。
タンを炉窯で焼き上げると、表面は紙1枚分だけがパリッと香ばしく、その内部は熱が芯まで入っていながらぷるんぷるんの仕上がり。
最高の素材と最高の技術で、我がタン人生で最高の1皿と出会った。
満足度 5++


ヒレ
表面がぱりっと火入れされた塊にナイフを入れると、抵抗感があるのは表面のみ。
内部は繊細な絹豆腐のような感触で、引き込まれるような艶やかな赤みを帯びている。
肝心な肉の味は、一噛みでそのポテンシャルを放つ。
噛み進めれば、溢れ出す上品さと凛とした旨さを感じさせる。
満足度 5



サーロイン
炉窯との最高の相性を見せるサーロイン。
舌の上でトロリと沈み込む食感がありながら、口の中に脂の重さが残らない。
広がるのはさらりとした甘みと肉の味だ。
満足度 5



イチボ
レアめの焼き上がりで、肉の味がダイレクトに舌に届く。
奥歯に力を込める度に、歯茎を伝って溢れる旨みに笑みが零れ落ちる。
満足度 4




訪れる度に進化している。
完璧というものはないかもしれないが、それに近づこうとする努力が伝わってくる。
真摯に肉と向き合う姿勢に感服。