No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2015年6月3日 くにもと 新館


焼肉屋さんは肉をただ切って出すだけじゃない。
焼肉屋さんの職人としての修業時代を知ることは、私にそんな当たり前のことを教えてくれる。
“くにもと新館”のHPにある店主・国本さんのブログは、私が最も好きな焼肉屋さんのブログだ。
何年前の記事か思い出せないが、特に修行時代の話は興味深く、吸い込まれるように読んでしまったものだ。
普段は本店に行くことが多いのだが、肉フェスで少しお話をさせて頂いたこともあり、今回は久しぶりに新館へ。
赤身肉の湯引き
さっと湯引きされた赤身は氷の上に盛られており、身が引き締まった食感にあっさりとした旨みがある。
満足度 4

ガリ(上等セット)
分厚くカットされたサガリに歯を立てると、火傷しそうなほどの肉汁がぐっと溢れ出す。
その肉汁に含まれる滋味深い味わいを塩ダレに絡んで一層旨みを増している。
満足度 4

ランプ(上等セット)
ランプは岩手の北上牛というブランド。
適度な食感が心地良いが、噛むごとに口中に広がる旨みの余韻は飲み込む終わるまで続く。
満足度 4

イチボ
口に入れた瞬間から鼻に抜ける香りが素晴らしい。
赤身の深い味わいとサシの甘みのバランスが最高で、タレとのバランスに関しては火の打ちどころがない。
満足度 5

トモサンカク
脂の重さは全くないが、柔らかさは抜群でタレとの相性も良い。
ただ、この前に食べたイチボの印象が強すぎて比べてしまう。
満足度 4

シンシン
滑らかでありつつふんわりとした食感で、内側に溜め込まれた旨みは噛み締める毎に押し流される。
サシが少ないから赤身の味が分かりやすいといったものではなく、赤身自体の味が極めて強い最高のシンシン。
満足度 5

サーロイン
常温で溶け出す上質なサシが細かく入ったサーロイン。
舌の上を滑らかに滑り、口の中に旨みを広げる。
満足度 4

切り落とし
新館でもやはり辛味で食べたい。
ただ辛いだけでなく、コクと深みがしっかりとし、肉にぴったり。
満足度 4

最近の”くにもと”は田村牛を仕入れるようになったようだ。
今回で言えば、イチボ、トモサンカク、シンシンがそれ。
特にイチボとシンシンの旨さは格別で、これが”くにもと”の最強のタレでより一層旨みが引き立てられる。
進化を止めない名店はどこまで突き進むのか!?
これを見届けられるのは焼肉好き冥利に尽きるというものだろう。