No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2016年10月11日 炭火焼肉 なかはら

選び抜かれた牛肉。
ほど良く水分が抜け、肉の旨みが最も感じられるタイミングを逃さない目利き。
1枚1枚その部位、肉繊維の入り方を見ながら包丁の刃を肉に滑り込ませていく技術。
まあいいか、といった妥協は1枚もない。
全てにおいて真剣。
全てにおいて全力。
経営者という視点で見れば、手放しで称賛されるものではないかもしれない。
しかし、職人という視点で見れば、どこまでも愚直なその姿勢にはただただリスペクトするしかない。
タルタル
生で味わうことで感じることが出来る素材のポテンシャル。

精気に満ちた味わい。
幻のタン
前歯が滑り込むように内部に入っていくタン元の食感と、そこから溢れ出す旨みは最高の黒タンの証。



サーロイン
お任せコースの最初はもちろんサーロイン。
そしてこの日のサーロインの脂質はピンのピン。
さらっとしていながら、甘みがぐっと押し寄せる。
そこから赤身本来の滋味深い味わいが広がる。

ハラミ
肉々しさより繊細さが印象深いハラミ。
塩ダレで旨みが引き立つ。


ザブトン
肉の味は淡白ながら、噛み始めると同時にほどけだす食感は素晴らしい。

ミスジ
しっとりとした肉肌が舌に吸い付き、コクのある旨さを教えてくれる。


シンシン
肉繊維1本1本に閉じ込められている旨み成分の濃度が濃い。
消えてなくなるのを惜しみながら噛むと、舌が肉の味わいに包み込まれる。

肩三角
鉄分を感じさせる味わいで、ジューシーさが口の中を占領する。

ウチモモ
サシは太いが筋っぽさはなく、上質なバターのような脂質。
肉の味も抜群だ。

ヒレ
他の追随を一切許さない繊細さに、芳醇な香りが鼻に抜ける。
何よりエキスと呼ぶに相応しい肉の旨みが五感を刺激する。


切り落とし
これ以上の切り落としは見たことがないレベル。
ウチモモあり、ミスジあり、全てが切り落としと呼ぶには上質すぎる。

相変わらずのクオリティ。
一切妥協のない焼肉と言う料理に心から感動。