No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2017年1月11日 一富士

東京では珍しいホルモン割烹というジャンル。
かつてそのジャンルの雄といえば”さんだ”というイメージだったが、今は”さんだ”に代わって”一富士”の方に勢いを感じる。
とはいえ、実は店主の小林さんは”さんだ”から独立した方。
“一富士”の味の基本はしっかりと牛肉の旨みを抽出したテール出汁。
これを随所に散りばめながら、変幻自在のコースを繰り出す。
レンコンと頬肉
テール出汁で炊かれていて味わい深い。

ハツモトとテール
中華風の味付けで、食欲を刺激する程良いアクセントがある。

アキレス腱
河豚皮を彷彿させるゼラチン質の食感。

茶碗蒸し
濃厚なテール出汁が存分に効いた茶碗蒸しは、冬場にはたまらない一品。

ミノ
焼いたミノにとびっこを合わせるという荒業。
しかし、これが絶妙な食感のハーモニーを生んでいる。

ハチノス
表面をカリッカリに焼いたハチノスの旨いこと。

センマイ
皮を剥いた白センマイに紅心大根。
独特の酸味がある。

ヤン
こりっこりのヤンの上にはスイカの奈良漬。

ギアラ
醤油の香ばしい風味が効いたギアラが実に旨い。

粕汁
ボリューム満点の粕汁もテール出汁で。

ハツ
鮮度抜群のハツは刺身で。
臭みは皆無。

ハラミ
ハラミのタタキは、ハラミのしっかりとした食感が程良く残り、ハラミ自体の甘みもしっかりとしている。

レバの串焼き
絶妙な火入れがされたレバは、臭みはほぼなく、舌の上で甘みだけを広げる。

テールの串焼き
生のテールではなく、一度柔らかく煮込んだテールを焼いているため、ホロホロと肉がほぐれ素晴らしい食感。

ハツ
鮮度が良いハツは焼いても旨い。

ハラミステーキ
見事な火入れがされた分厚いハラミのステーキを噛み締めると熟成感が強い。

“一富士”のメニューは1ヶ月ごとに少しずつメニューが変わっていく。
今回は久しぶりの訪問だったので、前回に比べてかなり目新しいものも多かった。
ちなみに”一富士”はコース1本だが、近所に小林さんがオープンさせた”ニ鷹”はアラカルトで楽しめるので、こちらも近いうちに行ってみたい。