No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2014年9月2日 スタミナ苑

焼肉職人としての凄み。
“スタミナ苑”を訪れる度に店主の豊島さんから感じるものだ。
長年磨き続けたカット、手間を惜しまない仕込み、そして細部にまでわたる拘り。
お皿に盛られた正肉やホルモンを見て、そして食べればカットや仕込みの素晴らしさを誰もが分かるだろう。
気付かない人もいるかもしれないが、網交換時にすぐに焼けるように熱々の状態で網交換をしてくれたり、烏龍茶や緑茶といったソフトドリンクも既製品ではなくお店で作っていて氷もかち割り、そして烏龍茶の旨さといったら焼肉屋さんの中でダントツだろう。
テグタン類を取り分けるお皿の温度にしてもそう。
とにかく主役の焼肉はもちろん、それを支える様々な脇役達への惜しみない手間が”スタミナ苑”を日本一有名な焼肉屋さんに押し上げたのではないだろうか。
そんな豊島さんが完成させる焼肉。
これが旨くないはずない。
ハツたたき
火入れで好みが分かれるだろうが、ハツ自体の旨さは本物。
満足度 3

上タン塩
お酒の味が前面に出る独特の塩ダレだが、これが"スタミナ苑"のタンにはマッチしている。
サクサクの食感に癒され、並んだ疲れも引き飛ぶ。
満足度 4

特上ハラミ
ハラミは最高のものを仕入れている。
それを一般的な肉々しさで味あわせるのではなく、隠し包丁でホロホロ崩れる食感を楽しませる。
ハラミが崩れ落ちると同時に大量の肉汁が溢れ出る。
満足度 4

モツ煮込み
モツの旨みが溶け込んだ汁はこってりとしていてご飯にかけたくなる。
柔らか過ぎず絶妙な食感。
満足度 4

ミックスホルモン(塩)
ハツ、センマイ、コブクロ、シマチョウ、ギアラが盛り込まれた珠玉の一皿。
"スタミナ苑"はミックスホルモンに始まりミックスホルモンに終わる、と言っても過言でない。
無造作に盛られているようで、部位が偏らないような心配りが感じられ、1つ1つの食感や味わいを楽しむと"スタミナ苑"にきたことを実感させてくれる。
満足度 5

炙りレバ
前回も感じたが、以前に比べてレバが更に良くなっているように感じてならない。
甘みも舌触りも非の打ち所がない。
満足度 5

ヒレ
2枚頼むと1枚外れが混じり、3枚頼むと1枚外れが混じるという都市伝説がある牛ヒレ
今回も都市伝説は守られた。
ここは大人気なくジャンケンを勧めたい。
満足度 4


特選上ロース
これでもか、と言うほど大判のザブトンは脂の質も含めて去勢であろう。
ただし、"スタミナ苑"の凄いところは、このザブトンを秘伝のタレで香ばしく焼き上げることで見事な味わいに昇華させてくれるところ。
タレのレベルが非常に高いのだ。
満足度 4

ミックスホルモン(タレ)
塩ダレほどのマッチングはないが、タレにはタレの旨さがある。
満足度 4

いつ来ても、何度来ても"スタミナ苑"は"スタミナ苑"だということを感じさせてくれる。
昔流行ったお店が衰退するのはよく見かけるが、"スタミナ苑"に限ってはそんな姿が想像つかない。
焼肉界の伝説は生き続ける。