No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2010年4月22日 たいが

いったい何が変わってしまったのだろう。
私が変わったのだろうか、それともお店が変わってしまったのだろうか。
前回の訪問から5年以上の月日が流れているが、『なかなか良いお店だなぁ』といった印象は崩れ去った。
レバ刺しはプルンとした舌触りで甘みもあり旨い。

限定特上タンの見た感じは『素晴らしい』の一言に尽きる。
焼きにくいロースターではあるが、全神経を集中させて焼き上げたタンは完璧に見える。
最初に表面に前歯をたてた時のサクリという食感は良かったが、奥歯で噛み締めると食感の良さはあまりない。
和牛のタン特有の旨みとサクサクとした食感が弱く、以前食べた白タンのような印象。
ただ平均以上のレベルなのは間違いないのだが。


たいがのハラミは、肉繊維の弾力がなく若干パサついた感じ。
お代わり分は保存状態も悪く臭みもあった。

リブ芯はカットのバラツキがあるが、甘みがあって旨い。

ザブトンは蕩け具合が悪く筋が気になる。
ジャンボ系のザブトンとは別物。

最上級A5使用と書かれている和牛特選カルビには驚かされた。
和牛の5番どころか交雑の3番程度に見えるササミが登場。
甘み・旨みが皆無で、食感は食べ放題レベル。
残った1切れは全員で譲り合い(笑)

ホルモンは脂の甘みがタレとぴったりで旨い。
ゆうじのような歯切れの良さがあれば最高だったのだが。

上ミノは厚みがあって期待したが、グニュグニュの食感で噛み切れない。

とにかく今回の印象は、『期待させておいてガッカリさせる』の連続であった。
まず、入り口にかけられている立派な『備長木炭使用・・・』といった表示にあるように、炭に拘っていると思わせといて、席に着いてみると着火していない炭の下からガスの火がもうもうとあがっているだけ。
しかも炭はオガ炭。
別にオガ炭がダメなわけじゃないが、入り口のアピールはいったい・・・。
鶯谷園の溶岩ロースターも同じだが、結局お肉を焼く熱源は、炭や溶岩に着火させるため(?)のガスの炎になってしまい、非常に焼きにくい。
二つ目のガッカリはカット。
以前読んだ雑誌に、『ハラミの肉汁を味わう為の”たいがカット”』みたいな記載があったが、実際はごく普通のカット。
このカットに何か特別な技が織り込まれているのか不明だが、私には全く分からなかった。
三つ目はお肉そのもの。
ぐるなびでは『全部のお肉が銘柄牛』と書かれているが、私の食べた印象は上記の通りである。
まあ、銘柄牛といってもその数は無数にあり、しかも黒毛和牛だけとも限らない。
銘柄牛だから旨いってことでないのは理解しているが・・・。
唯一の救いは値段の安さかな。
あまりに落胆したんで色々と書いてしまったが、値段相応といえばそうなのかもしれない。