No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2015年1月28日 焼肉酒家 傳々

これほど人によって好みや評価が分かれるお店は珍しい。
まさに賛否両論。
しかし、”傳々”店主・高矢さんの真髄に一度でも触れれば、その凄みを知ることになる。
肉という素材を通して高矢さんのセンスが随所に光る。
決して最先端ではない。
むしろ最先端でないから良い。
中学生の頃にブラウン管を通して知った、どこか懐かしさを感じゴージャス感。
これが恐ろしく心地よいのだ。
これから焼きまで全てを高矢さんに託したお任せがスタートする。
お任せの定番と言えば、刺身系を中心とした前菜盛り合わせ。
細かな氷が敷き詰められた上にはハツやセンマイ、ハラミにタンユッケまで。
どれも鮮度抜群なのが分かる食感と味わい、特にハラミの適度な噛み応えとそこから溢れる甘みは忘れられなくなる。


前菜2品目はサーロイン蒸し。
蒸篭にびっしりと敷かれた野菜の上に薄切りのサーロインを乗せ蓋をする。
ほんのりピンクに色付いたところで野菜を巻き、特製ポン酢でかぶりつく。
サシがしっかりと入ったサーロインであるが、驚くほどさっぱりとしていて、肉の旨みをダイレクトに味わえる。



"傳々"と言えば、高矢さんのセンスが輝るお皿も含めた盛り付けにあるが、この日は何故か食堂風の銀皿が・・・。
都内でも希少な生の黒タンもこの銀皿。
不思議な違和感が(笑)
むっちりとした食感に、噛むほどに溢れる旨み。
マスタードのアクセントもいい。



ハラミは最も分厚い部分を塊で。
表面はパリッと、中はレアでありながら温かく火がはいる絶妙な仕上がり。
それにしてもハラミそのものの味が濃い。





信じられないほど分厚いシャトーブリアンも例の銀皿に乗って登場。
罰当たっちゃうよw
肉自体のクオリティは非の打ち所がない。
難しい炭火での火入れは、高矢さん独自の近距離でのもの。
しかしこれが繊細でありながら、食感のアクセントになる素晴らしさ。





"傳々"の最強の看板メニューは塩ホルモン。
シマチョウである。
炭火で炎を上げながら高温で旨みが引き出されている。


タレ系はサガリ、カイノミ、ミスジ
あえて脂が強くない部位のセレクトで、お任せ後半でありながらすっきりと肉の味を楽しめる。

ここで3度目の登場がハラミ。
網一面を覆い尽くす迫力で焼かれた後、胡麻と海苔が香るタレで味付けされる。
久しぶりに食べた大阪風ハラミは、肉の旨みとタレが見事にマリアージュした、ご飯が止まらなくなるキラーミートだ。



タレの内臓はレバ。
鮮度の悪いレバは火を入れると臭みが際立つが、鮮度が良いものは甘みが際立つ。
クラシックな濃厚なタレのレバだが、甘みは強く舌を覆う。

〆はコムタンラーメン。
いまだかつて経験したことがないほど投入されたニンニクが強烈でありながら、麺をすする箸が止まらない。

進化を感じる。
決して流行に流されることがないのだが、独自の世界が確実に進化している。
やはり定期的に訪れるべき名店だ。