No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2016年12月12日 焼肉 うしごろ 西麻布本店

オープンした当時からどんどんイメージが変わっていく”うしごろ”。
シャレオツな内装でほどよいクオリティの和牛を仕入れ、それをお手頃な価格で食べることが出来るというのが当初のイメージ。
そこから価格帯をワンランク下げたお店や日本酒との組み合わせを楽しむお店、そして鉄板焼きまで、一般のお客さんのニーズを掴んだ展開の凄さを感じながら、一方では私の様な一部のマニアには面白味に欠ける印象があったように感じる。
しかし、数か月前に銀座店でお任せコースを食べ、今回西麻布店でお任せコースを食べ、その印象は良い意味で大きく裏切られた。
多店舗展開すればするほど落ちると思っていた肉のクオリティは引き上げられ、特に今回食べたコースは田村牛のみで構成され、肉の味とあっさりとしたサシの甘みのバランスが最上級のレベル。
人気店のパクリが多いと言われていたメニューもオリジナリティが増え、その完成度も非常に高い。
牛刺し3種盛り合わせ
ウワミスジは炙ってたたきにしてあり、肉の味がしっかりと舌の残る。
カメノコのタルタルにはキャビアが添えてあるが、タルタルそのもののクオリティが高い。
ザブトンは炙って握りにしてあり、その上には雲丹が添えられている。




フカヒレと和牛テール ヒレゲタのコンソメ仕立て
手間のかかるコンソメ焼肉屋で飲めることが驚きだが、臭みがなく滋味深い味わいには更に驚かされた。

極みの黒タン
黒毛和牛のタンということだが、薄切りは輸入タンのような臭みをわずかに感じるのが残念。
しかし食感は素晴らしい。
厚切りも歯切れがよく、食感が素晴らしい。




エンピツ
ロースの一部のエンピツは弾力がありながらも繊細さがあり、なんとも不思議な部位。
肉の味もしっかりしたエンピツに掟破りのヤンニョンソースが良く合う。
上品に気取り過ぎない、こういった遊び心がある焼肉は楽しい。


ランボソ
味の強いタレの後にあえての塩ダレ。

ミスジの湯引き
ミスジの湯引きには鱈の白子が添えられている。


サーロイン芯
余分な筋や脂を全て落としたサーロインは王道のタレで。
田村牛ならではの上質な脂が口の中で広がり、何枚でも食べたくなるほどハイクオリティ。
これも肉質だけでなく、贅沢なカットのおかげでもある。

リブ巻き
厚切りのリブ巻きはコチュジャンダレで。
このリブ巻きのプリプリとした食感と力強い肉の味は凄く、コチュジャンダレで食べても全く消し去られない。


ザブトンのすき焼き
濃厚な卵で食べるザブトンのすき焼きは”うしごろ”の定番。
誰が食べても旨いと感じる完成度。

シンシン
厚切りのシンシンは厨房で低温調理される。
しっとりとした仕上がりで旨みも十分。


シャトーブリアン
こちらも低温調理されたもの。
断面の見事な色合い通り、絶妙な火入れ。

様々なアレンジが効いた、完成度が高いお任せコース。
グループ全体が大きくなる中でクオリティが上がるということ自体にとにかく驚く。
どんなに大きくなっても情熱がそこにあればこその成果。
まだまだどんな進化をするのか、食べ続けて追うしかない。