No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2017年8月4日 肉割烹 上

肉好きで惹かれてしまう肉割烹というジャンル。
関西であれば“三芳”や”いっしん”といった名店があり、ジャンルがその地に根付いているように感じる。
一方、東京に目を向けると、肉割烹を名乗るお店があるにはあるが、十分なクオリティに達したお店には出会ったことはまだない。
そんな中、初めて東京でも旨いと感じる肉割烹が誕生した。
場所は西麻布。
肉に関して言えば、中身よりも雰囲気重視のお店が多い地域だが、その中でしっかりとクオリティには驚かされる。
牛とスッポンのコンソメ
肉ばかり食べている私には新鮮なスッポン出汁。
滋味深く、最初からテンションが上がる。
刻み柚子のアクセントも素晴らしい。

毛蟹、雲丹、赤身の小丼
赤身はトウガラシで、全てをかき混ぜてから食べる。
何かの素材が突出するわけでもなく、バランスが取れ、文句なしに旨い。

煮鮑と石川芋のコンソメジュレかけ
丁寧に作り込まれた1皿で、上品な味わい。

肉素麺
見た目も美しい肉素麺だが、その味は別格。
肉そのものが味が濃い上に、キレイにカットされた表面は滑らか。
出汁も素晴らしく、完成度が高い肉素麺。

サーロインの刺身とサガリの漬け
サーロインの刺身は舌の上でフワフワと溶けていくほど繊細で甘みの塊。
ガリの漬けには地芥子を乗せて食べる。
ぷりぷりとしたサガリの旨さがより引きしまる。

銀杏の牛脂揚げ

タタキ
串に刺されたイチボは目の前の窯で炙られる。
焼き上がったイチボを内部を包丁がストロークすると、見事な断面が現れる。
肉そのものの味が非常に強いが、特製の生姜醤油との相性も良い。

カラスミとチーズのタルタル
食べる前は半信半疑だったが、食べてみると想像以上に旨い。
強いて言えば、お酒を飲まない私にはチーズはあまり必要ないようにも感じる。

賀茂茄子と雲丹

フィレミニヨンの唐揚げ
ヒレカツを提供するお店は増えたが、唐揚げは”れんらく船”くらいしか聞いたことがない。
ヒレカツのような繊細さはないが、唐揚げらしく下味が付いているので食べた瞬間に伝わる旨さがあって、これはクセになる。

サラダ

手巻き
目の前でカットされるサーロイン。
それが手巻きにされて手渡される。
噛むほどにサーロインがソースになってご飯に馴染む。
贅沢過ぎる一品。

しゃぶしゃぶ
サーロインのしゃぶしゃぶは口の中で一瞬で消えてしまう様なヤワなものではなく、しっかりと肉本来の味を口いっぱいに広げるもの。
素材の味が際立っている。

ステーキ
しゃぶしゃぶで食べたものと同じ川岸さんの神戸ビーフのサーロイン。
肉の間に歯が入り込むと、堰を切ったかのように旨みが溢れ出てくる。
この余韻の素晴らしさが最高の和牛の証。

ラーメン

おじや

塩アイス

田村牛や川岸さんの神戸ビーフを中心に仕入れていて、素材への拘りはトップレベル。
しかもコースの中身を考えれば、値段もかなりお得感がある。
素材の違いが分かり、インパクト重視で足し算ばかりのお店に興味がないようなら、”上”は絶対的にオススメできる。
もちろん、まだ”三芳”のようなお店には並べないが、オープンしたてでここまで出来るのであれば、今後が楽しみでならない。