No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2008年5月3日 よろにく

近々結婚する後輩の彼女が北海道から来た。
私とこの彼女とは3年前にも一度龍叶苑で網を囲んだ仲だ。
その頃は私もこの後輩と同じ丸の内の会社で働いていたものだ、懐かしい。
私が去った後は、この後輩が会社の焼肉隊長として頑張ってくれているらしい。
頼もしくなったなぁ。
と言っても、この後輩ともちょくちょく焼いているが、あと数秒肉の返しを我慢できるようになったら、ワンランク上の焼き手になれるだろう。
この後輩が行き付けなのが、篠崎ジャンボ。
会社の寮から近いらしいのだが、これは非常に羨ましい。
だがこの後輩、よろにくの事をジャンボの支店くらいにしか考えていないのか、よろにく未訪問なのだ。
よろにくは白金のジャンボとは大違いだし、肉質・ホスピタリティ・店員の焼きテクニック・値段・雰囲気全てを含めて今一番オススメのお店であることを力説した。
そんなわけで後輩とその彼女と一緒に3年ぶりに網を囲んだわけだが、よろにくは金竜山が君臨している焼肉界の横綱に一番近い位置にいるのを再認識させられた。
しかも行く度に更に成長しているのだ。
まず驚かされたのが、握り。
私は寿司も好きなのだが、そもそも牛と魚では脂の融点が違うので、牛の握りなどそれほど旨いと思った事がなかった。
生なら握りでなく刺身の方が肉の甘みを感じやすいし好きなのだ。
しかし、いつもの店員さんが握りを勧めるのだ。
注文を渋っていると、サービスでだしてくれるとのこと。
よっぽど自信があるのだろうが、それでも正直期待していなかった。
だが、口に放り込んだ握りは、肉の甘さと酢飯が絶妙なハーモニーを醸し出していて、上質なトロのように蕩けてしまった。
融点が低く、甘みが素晴らしいトモサンカクだ。
そして、その辺の焼肉屋のようにメニューを増やすために、研究不足のまま握りをメニューに載せるのではなく、しっかりと自慢のトモサンカクとの相性を考えた上での工夫が感じられた。
ちなみによろにくでは、牛刺しにはたまり醤油だが、握りには生醤油を使用している。

いつもの店員さんに肉のストックを確認しながら、オススメを聞いて選んだ焼き物も最高だった。
上タンは相変わらずの旨さで、柔らかさ・溢れる旨みが最高の一品。

店員さんに試してみてと言われたのが葱ヒレ
これは葱タンなどに使用している葱をヒレ耳に絡めたもの。
ヒレ耳の柔らかさと葱ダレの旨さを感じることは出来るが、若干、葱にヒレの旨みが負けてしまっていた。

次の塩系は、サシが十分に入ったかいのみ。
これも赤身の旨さが際立っている。

塩系最後のイチボは、この日のbest3に入るMeatだ。
お願いして新たにブロックから切り出してもらい、薄切りで提供されたが、丸めて食べるとジャーシーな旨みが溢れてくる。
今までイチボは厚切り派だったが、これはちょっと考えさせられる。

店員さんに勧められたあかみすじ。
あかみすじというのは初めてだったが、通常のみすじの様に蕩ける食感ではないが、赤身の旨さを感じる。

これは旨いなぁと思っていたが、通常のみすじを食べたらそんな思いは吹っ飛んでしまった。
今日のみすじはまた格別に旨い。
赤身の旨さ・蕩ける食感が素晴らしい。

いつもみすじと続けて食べるざぶとんも相変わらずの旨さ。
ここでご飯が底をついてしまった。

間違いなくこの日一番のMeatだったのは巻き。
ロースなどは、形の良さからつい芯部分に傾倒しがちだが、この巻きの上品で蕩ける甘さを味わったら、考えを改めてしまうだろう。
私は厚めのカットで提供された巻きの旨みに陶酔してしまった。

最後はヒレ・サーロイン・コプチャンで焼き納めとした。
ヒレシャトーブリアンの部分を出してもらったが、柔らかさ・赤身の旨み共に抜群。
焼肉屋さんで食べるヒレを超えてる。

このヒレを絶妙なテクニックで焼き上げてくれた店員さんに感謝。
この店員さんとは色々話すが、私も驚くマニアであることを付け加えておく。
次はサーロイン。
このサーロインがまた旨い。
脂の甘みがすごいのだ。
これは食べてもらわないと分からないだろう。

ちなみに、最後に脂の部分だけを2/3程に小さくなるまで焼いて食べるのだが、これも旨いのだ。

最後はコプチャン
GW等の連休中はホルモンをあまり食べないのだが、コプチャンだけ注文した。
このコプチャンはなかなかの旨さで、脂が甘い。
良いデザートだ。
このよろにくは今年になってから通いだしたが、誰かを連れて行ってあげたくなるような、間違いなく今一番オススメのお店だと思う。
誰か一緒に行きたい人はいないだろうか!?