No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2009年9月29日 金竜山

9月29日は『牛肉の日』だそうだ。
もしくは09月29日で『和牛の日』とも言うらしい。
そんな日に相応しいであろう焼肉屋さんの一つが金竜山。
まずは久しぶりに注文したミノ刺し。
前回は失敗した感じがあったが、今回はこれが大当たり。
柔らかさと適度な歯応えが共存していて、カボスの味付けもピッタリで旨い。
酢味噌を付けないで食べた方が好みかなぁ。

10分遅刻していった為に、先に着いていたメンバーが頼んでいたのが並ロース。
ロースは特上ロースしか頼んだ事がなかったので、初めてその姿を見たが、まさに赤身。
残念ながら枚数が足りずに味を試すことはできなかった。

上タンは相変わらずの綺麗なピンク色。
薄切りで大判のタンをクルクル巻いて食べると、ジューシーさが半端じゃない。
歯応え、旨み、共に薄切りで食べるタンの最高峰がここにある!

並カルビはタテバラ辺りだろうか。
若干厚切りであった為に、蕩ける食感はそれほどではないが、甘みは流石。
脂の割りにしつこさはなく、最初からご飯が進んで仕方ない。

中カルビを食べて、久しぶりの金竜山の実力をまざまざと見せつけられた。
一瞬で蕩けてしまうMeatと脂の甘さで、Meat自身がご飯のソースになってしまうようだ。
この中カルビのようなMeatを食べれるお店は、都内でもほとんど存在しないだろう。
CPを考えると、金竜山のカルビ群の中では最強かもしれない。

上カルビは細かなサシがすご過ぎて、雪が降ったみたいに真っ白。
中カルビよりも若干厚めにカットされているにもかかわらず、口の中での蕩け具合は中カルビに負けてない。
それにしても金竜山のカルビは肉質、カット、タレの3拍子が揃っていて、ご飯が進んで仕方ない。

頂上を攻める前に一時休憩が必要だろうと、ホルモン系へ。
ホルモン系と言っても、いつものコブクロに上ミノである。
コブクロは瑞々しさがあって、いつもながら歯応えが素晴らしい。
金竜山ではいつも頼むコブクロだが、他店ではあまり頼む気にならないのは何故だろう。
大した理由はないので、今後は試してみよう。
ミノ刺しが旨かったので、いつも以上に期待していた上ミノだが、これが期待通りの旨さ。
ちなみに旨いホルモンを食べる時にいつも悩まされる事がある。
ホルモンは正肉に比べて、火入れ加減が非常に難しく、絶妙な焼き加減へ仕上げるには、時間がかかるものだ。
そして、時間が若干かかるが故に、(正肉では有り得ないことだが)一度に2切れ以上を焼く場合が多々ある。
しかも強火で焼きたいが故に、網の中心付近にホルモン達が密集してしまう。
そうすると何が起こるかと言うと、網の上のホルモン達のオーナーが不明確になりやすいのだ。
つまり、私が最高の焼き加減に仕上げてる途中で、私のホルモン達に手を出されることがある。
これは許せん行為ではないか。
この愚行から、ホルモン達をいかに死守するのが私の悩みである。
私の娘は先日1歳になったが、十数年後にはこの娘も死守しなくてはならないのかと思うと、気が引き締まる。

いよいよ特上カルビへ。
これぞまさに特上と言える神々しい姿。
網の上で溶け出た脂によって火が上がり、細かなサシが満遍無く入ったMeatは透けて見える。
そして、これほどのサシにもかかわらず脂のしつこさがない。

もう一つの頂上は特上ロース。
カルビよりも優しく火を入れ、表面を軽く炙る。
綺麗なロース芯で、驚くほどの柔らかさに加えて、しっかりした旨みが感じられる。
最高の旨さに金竜山の実力を改めて思い知った。

〆に頼んだのは、久しぶりのサーロイン。
大判で薄切りが特徴の金竜山にあって、珍しい厚切りなのが、このサーロインである。
余分な脂は全て掃除されており、サシの入り具合に期待が高まる。
たっぷりの山葵でも、山葵の量を感じさせない脂の甘さがあり、さらにMeatの旨みがしっかりと感じられる。
柔らかで赤身部分の旨みの際立つサーロインを食べて、次回試したいことができた。
禁断のダブル。
そう、2倍の厚さにしてもらうのだ。
いったいどれほどの肉汁に襲われるのだろうか、、、涎が止まらない。

最後にだしてもらったまかないのご飯はかなり辛めであった。
おばちゃんに、年末の訪問日のお肉のお願いをして、駅へ向かった。
焼肉の臭いを周囲に撒き散らしている身体に、夜風が非常に心地良い。