No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2013年5月29日 れんらく船

湯島の"平"以来、久しぶりに肉業界のカオスに遭遇した。
お店の名前は"れんらく船"。
入船口と書かれたお店の入り口からして既に異彩を放っているのだが、一歩店内に入るとそこは異次元の世界。
とはいえ、よくよく店内を眺めると異彩を放っているが、なんともバランスの取れた絶妙な雰囲気をかもし出している。
"れんらく船"はヒレを中心とした肉料理のお店。
定番のステーキに始まり、網焼きや唐揚げ、てり焼きまである。
しかも牛肉は近江牛に拘っていて、この日は去勢であったが、普段は雌を中心に仕入れているとのこと。
ヒレの唐揚げは"れんらく船"では王道のメニューで、見た目はチキンナゲットのような姿の唐揚げが運ばれてきた。
ヒレの唐揚げは初めてで恐る恐る食べてみたが、これが完全に想像の域を超えてる。
変り種どころかしっかりした完成度で、衣が見事に牛肉の良さを引き出している。


ビーフてり焼きは、ヒレのどの部分を使うかブロックから選ばせてもらえたので一番太いシャトーブリアンを選択。
しばらくして運ばれてきたお皿には(当たり前だが)本当にシャトーブリアンがてり焼きになって鎮座していた。
旨いことは旨いのだが、料理としての完成度としてはヒレの唐揚げには一歩及ばない。
それでもヒレ自体の旨さが全てをカバーしてくれている。


ヒレが続いたのでステーキはヒレではなくサーロインを。
お肉の旨さはあるが、焼き方はちょっと平凡。
ただ、お店の雰囲気を考えると、そんな焼き方にウダウダ言ってる方がおかしいような気もしてくる(笑)


とにかく摩訶不思議。
店内に一歩足を踏み入れた瞬間から"れんらく船"ワールドにどっぷりとつかってしまう。
こんな船旅もたまにはいいものだ。