No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2013年9月24日 静龍苑


昔はタンと言えば薄切りばかりだったが、最近では厚切りで食べさせてくれるお店が増えたように感じる。
厚切りのタンには厚切りのタンの魅力があり、薄切りのタンには薄切りのタンの魅力がある。
タンの旨みを存分に味わうという観点から考えれば厚切りに軍配が上がるのは仕方ないだろう。
薄切りのタンの魅力は、やはり塩ダレやネギ等との絶妙なマリアージュだろう。
"静龍苑"のタン塩は、薄切りタンとネギ塩ダレのマリアージュを極限まで突き詰めた姿と言っても過言ではない。
艶やかなピンク色の肉肌は、何とも言えない魅力を秘めている。
火力を恐れずに香ばしさを加えて焼き上げれば、タンの肉汁とネギの甘みが絡み合いながら口の中を縦横無尽に駆け抜ける。
このタン塩を食べるだけでもここまで来る価値があるだろう。

"静龍苑"ではタン塩が最もランクが上、つまり根本付近が使われていて、その次のランクなのが中タンである。
タン塩との価格差はかなりあるが、この中タンの旨さはその価格差を遥かに凌いでいる。
お得度で言えば、"静龍苑"で最もお得なメニューかもしれない。
完成されたカットや味付けでタンの旨さが最高潮に高められているのだ。


芸術的な盛り付けのミノはカットも芸術的で、ザクザクとた歯触りをより高めてくれるもの。
個人的に後世に残しておきたいと思うミノ部門でNo.1だ。


塩系のホルモンが終わってからタレ系に移るが、その第1弾は炙りユッケ。
甘めのタレが後を引く。

正肉の上ロースとカルビはかなりサシが入っていて、脂の重さが口に残るのがちょっと残念なところ。


最後に追加オーダーしたのはコブクロ
若干臭みがあるが、コリコリとした食感で食べやすい。

"静龍苑"はとにかく最初のタンのインパクトが強すぎて、後半の正肉系に移った時の落差が激しい。
それでも残念な気持ちにならない程、タンが素晴らしいのだ。
そして、昔はもう少しロースの質が良かった気がする。。。