No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

焼肉 多平


水色の暖簾に赤く染め抜かれた「多平」の文字。
町に溶け込んだ昔ながらのその佇まいはどこにでもありそうでいながら、どこか只ならぬ雰囲気も放っている。
この日は昼にお邪魔した。
オシャレ(?)に言えば「ランチ焼き」、BEEF-LAB.comの所長の言葉を借りれば「昼T」というやつだ。
お店に入ると奥のテーブルではお店のおばちゃんと近所のおばちゃんっぽい方が2人で世間話に花を咲かせて肉をつついている。
他にはお客のいない状況でカウンターに陣取り早速注文をしたがロースターも網からも只ならぬ雰囲気を感じる(笑)

上塩タン
全く気取らないお店を体現したかのようなタン。
カットはちょいバラバラで、喉の方の筋までおまけで付いている(笑)
だがガスロースターで焼いて食べれば、これが旨い。
冷凍を一切かけてないであろうタンはサクサクの食感で旨みが溢れ出てくる。
満足度 4

ロース
無造作にハラミと一緒に盛られたロースを焼いて驚かされる。
肉質はそこそこで甘みのあるロースなのだが、それ以上に肉をまろやかに包んで旨みを補うタレとのバランスが凄い。
筋っぽいところが混ざっているのはご愛嬌だ。
日常に溶け込んだ絶妙なロース。
満足度 4


ハラミ
見た目はそこそこに見えたが、味は極上。
ジューシーな肉汁が溢れ、その肉の味は実に濃厚。
もちろんタレの旨さは言うまでもない。
満足度 4

お店だけでなく肉にも一切の飾り気はないが、冷凍をかけていなかったり注文後に手切りしたりと、実は細やかな拘りが随所に見られる。
その最たるものがタレの完成度ではないだろうか。
気取らず、日常に楽しみを1つ足してくれる焼肉屋さんの存在が嬉しい。