No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2017年7月7日 虎の穴

ホルモンを食べたくなった時、頭に思い浮かぶお店がいくつかある。
まず”ゆうじ”。
今更語るまでもなく、とにかく全てが最高。
次は”スタミナ苑”。
しかし突然行くにはちょっと遠い。
“鯉登り”も捨てがたいが、やはり”虎の穴”だろう。
コブクロ刺し
鮮度抜群のコブクロをがコリコリとした食感でクセになる味わい。

センマイ刺し
量もたっぷりで、キュウリと一緒のクラシックタイプのセンマイ刺し。
味わいは及第点。

レバ焼き
滑らかな舌触りで臭みもない。

筋レバ焼き
昔ほど筋っぽさが感じられないが、大量のニンニクが食欲を刺激して仕方ない。

特上タン
しっかりと根元の部分。
それなりに旨いのだが、”虎の穴”でどうしても食べたいメニューと言うわけではない。

コメカミ
コメカミの串焼きはしっかり火を入れて筋の甘みを引き出すのがマナー。
これこそが”虎の穴”の味。
奥歯に力を込めることでコメカミの内部から凝縮した旨みが弾け、噛むほどのその旨みが増幅する。
ニンニクとの相性も抜群すぎる。

タン筋
“虎の穴”でタンを食べるなら、個人的にはタン筋の方がオススメ。
たっぷりのニンニクを焦がさないように、こちらもしっかりと火を入れると、ジューシーな旨みと一緒に甘みも舌の上で踊る。

ハラミ特塩
世の中にハラミを広めた本家本元のハラミ。
奥歯で食い千切るように食べれば、肉繊維から熱々のジュースがこぼれ、肉々しい食感が気分の高揚も同時にもたらす。
問答無用の破壊力がある。


イチボ
悪くないが、個人的に”虎の穴”で食べたいメニューではない。

カイノミ
“虎の穴”の真価はホルモンで感じられると思っているので、基本的に正肉は好んで食べないのだが、このカイノミは違った。
何故ならダメ人間セットのタレで食べるという暴挙が行われたから。
これは間違いない旨さ。

ミノ
ザクザクの食感が心地良いミノ。
じっと炭火と向き合うことで、ミノの滋味深い味わいが引き出される。

シマチョウ
脂側から火を入れ、香ばしくカリカリに仕上げる。
腸壁側は軽く火を入れることでぷりっとした歯切れを楽しめる。

ダメ人間
白米がなくては成立しないタレのハラミ。
これ以上の〆は存在しない。


"虎の穴"のホルモンは全く隙がない。
鮮度と丁寧な仕込み、そして積み重ねてきた経験がこれほどまでの焼肉を創り上げている。