No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2017年10月25日 焼肉 しみず


会長コースのアテンド依頼が多くて、恐ろしく高頻度で通っている"しみず"。
しかし王道を突き進んでくれる"しみず"だからこそ、全く飽きがこない。
ただただ、その旨さをしみじみと感じるのみ。
この日の会長コースは珍しく薄切りのタンからスタート。
薄切りは薄切りだが、肉の繊維に対して垂直ではなく平行な、所謂、金竜山カット。
サクサクの食感はより感度を増し、香ばしさと甘みが幾重にも折り重なる。

会長コースの定番、特厚タンも健在。
薄切りとは全く違ったベクトルで、タンの旨さの最高潮を教えてくれる。







ハラミも厚切り。
こんなハラミを高頻度で食べている弊害として、他の焼肉屋でハラミを食べても感動できなくなってしまったこと。


厚切りはサーロインまで続く。
一般的に市場に出回っているようなサーロインでは、脂がきつすぎて食べれないような厚さだが、全く脂の重たさがなく、肉の味のみがぐいぐいと舌を
押し付けてくる。
これも川岸牧場の神戸ビーフだからこそだろう。




川岸牧場では通常32〜33ヶ月で牛を出荷するが、年に数頭だけ特別に超長期肥育する。
今回はそんな超長期肥育の個体。
37ヶ月肥育した神戸ビーフのランプ。
こちらはオーソドックスなやタレの焼肉スタイルだが、恐ろしいほど肉の味の輪郭がしっかりとしている。
肉繊維に奥歯で圧力をかけることで、歯茎を伝う極上の旨み。
あまりの味わい深さに飲み込むのを躊躇してしまう。
いつもの凄さを超える瞬間に立ち会えるのは肉好き冥利に尽きる。

焼肉の後は、より甘みの強いすき焼きでロース芯と巻き。
純但馬血統の牛とすき焼きの相性の良さを再確認してしまう。

ホルモンはシマチョウ。

そして、最近マイブームのニンニクダレでサガリ、ハラミ筋、シマチョウ。
このタレが尋常でない旨さ。
最高の素材を勿体ない、と思うかもしれないが、最高の素材とこのタレだからこそ見れる世界がある。

〆は焼きおにぎりとホルモンチゲ。
煮込まれ過ぎてクタクタなホルモンではなく、プリップリのホルモンがてんこ盛りで、辛味と甘味のバランスが絶妙。

圧倒的。
とにかく素材が違い過ぎる。
他と比べようもないほど拘った上で、庶民的な価格で頑張り続ける店主には頭が上がらない。