No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2010年12月29日 和牛焼肉 KIM

12月29日、肉好きなら意識せずにはいられない年内最後の肉の日。
この記念日に相応しい名店は白金高輪に存在し、至高の肉コースが存在する。
牛刺し
この日はトモサンカク。
常温でサシが溶け出した艶やかな姿から、脂の融点の低さが伝わってくる。
舌の上で広がる甘みに舌鼓をうつ。
中毒度 5

ユッケ
柔らかすぎず適度な弾力とお肉自体の味がしっかりした部位に、甘めのタレがよく合う。
中毒度 4

タン刺し
適度な歯応えがあり、生のタン刺しでは感じにくい甘みがよく出ている。
まさに素材の力だろう。
中毒度 4

タンユッケ
歯応えは健在だが、タン刺しで感じた甘みが消され気味。
中毒度 3

ハツのソテー
バターのコクとハツの組み合わせは本当に素晴らしい。
"ゆうじ"のハツのタタキと共通する旨さ。
中毒度 4

タン筋の岩塩包み焼き
マスタードのアクセントが心地良い。
タン筋に詰まった旨みが、奥歯で噛み締める毎に溢れる感触が印象的。
中毒度 3

肩芯
いよいよ焼き物。
見事な厚さで、カリッと焼けた表面、表面付近でしっかり火が通りお肉の味わいが濃い部分、中心の旨みがジュワーと溢れる部分の3層が織り成す味わいに酔いしれる。
中毒度 5


特選タン
1本の黒タンの中でも最高のタン元。
冷凍を一度もしていないからこそ生まれる食感、そして旨み。
最高級の生の黒タンの醍醐味が全て詰まっている。
中毒度 5


特選ハラミ
斜めにカットされた厚みのある極上部分を塊のまま焼き上げる。
火入れによって行き場を失った肉汁が、肉繊維の間から滲み出てくる頃には、見事な焼き上がりになっている。
奥歯を押し返す弾力を持ちながら、繊細さを感じさせる肉繊維に言葉を失う。
中毒度 4

カイノミ
ヒレほどではないにせよ繊細な肉繊維と、バラのジューシーさを兼ね備えた塊。
このカイノミの旨さを堪能できるのも、焼肉の醍醐味の一つかもしれない。
中毒度 5

肩ロース
薄切りだが、若干筋が気になる。
とは言え、これだけ旨みがあるのであれば問題ないかな。
中毒度 3

シャトーブリアン
高級ステーキ屋さんでも滅多にお目にかかれないほどの極上品。
しかも厚さがすごい。
巷では、『熟成』という言葉ばかりが独り歩きしているように感じるが、他の部位が熟成によって辿り着く旨みと、極上のシャトーブリアンだけに感じられる旨みは別世界だと思う。
勿論、適度な熟成がシャトーブリアンにも必要だが、このシャトーブリアンから感じられる黒毛和牛の最高の旨みをぜひ体験して欲しい。
中毒度 5+

ヒレ
こちらは薄切りタレの若干端っこの赤身の強い部位を。
ふんわりとした食感、赤身の旨さ、これだけでも満足してしまうだろう。
中毒度 5

ヒレ
弱火で楽しむヒレだが、筋はあえて強火でこんがりと。
ネギの甘みとの相性も抜群。
中毒度 4


トウガラシ
しっかりとした味わいがあるが、もう少し熟成による風味も欲しいところ。
少々欲張りすぎだが、勿論旨いのだ。
中毒度 3

ランプ
適度な歯応え、しっかりとした風味、"くにもと"を彷彿させる濃い旨み、どれもが完璧。
厚めのカットで噛み締める後とに広がる旨みが忘れられない。
中毒度 5

バーガー
焼肉屋さんでバーガーを食べた事があるだろうか!?
私は"あもん"で網脂で包んだハンバーグを使ったバーガーを食べた事があるが、今回は次元が違う。
キメ細かなサシが入ったミスジにサーロイン。
それらを吉田さん手作りの小振りなバンズと野菜、特製ソースで挟んで頬張る。
対極的な味わいのミスジとサーロインを一緒に食べるために、それぞれの味わいは感じられないが、全体としてはまとまっていて、とにかく『旨い!』の一言。
その場にいる全員が一気に食べ尽くした。
中毒度 5




ヒレカツビーフシチュー
厚切りのシャトーブリアンを今度はヒレカツに。
しかも添えられているのは、90時間煮込んだフォンドボーによるビーフシチュー。
さらにビーフシチューのお肉はヒレ
ヒレカツは衣による適度にジューシー感が増し、焼きとはまた違った旨さ。
ビーフシチューは身体が溶け込んでいくような旨さ。
そして、それらを一緒に食べると、これがまたすごい。
パンとビーフシチューをお代わりまでして、お皿はピカピカに。
中毒度 5+


恐ろしいほど感動的なコースだが、最後のデザートまで素晴らしいのがまたすごい。
この日はココナッツの食感が心地良いココナッツアイス、手作りのマンゴプリン、杏仁豆腐。
最後の最後まで最高としか言えない。