No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2011年5月20日 くにもと 本店

最近はヘルシーな赤身を前面に出しているお店も増えてきたが、それでも"くにもと"は他のお店に比べて頭1つ、2つ抜き出ていると感じてしまう。
A5という言葉だけが先走りした霜降り全盛の頃から、しっかりとしたポリシーを持って赤身に拘り、焼肉にあう肉質を追求してきた研究心に頭が下がる。
今回はユッケや赤身刺しといった刺身系を提供していないとのことで、タン塩を前菜代わりに。
タン塩
適度な厚みがあり、生タン特有の食感も十分だが、溢れる肉汁を堪能するには厚さが足りないかな。
中毒度 3


今回の『上等』の内容はこんな感じ。
塩系
上ハラミ(黒毛和牛)
上バラ(淡路牛)
タレ系
ウデ(淡路牛)
外モモ(淡路牛)
内モモ(田村牛)
サーロイン(近江牛
上芯玉(淡路牛)

上ハラミ
ハラミ特有の噛み応えを堪能しつつ味わうのが大量の肉汁。
肉汁の旨みはそれほど強くないが、塩ダレが絶妙であり焼肉としての完成度は高い。
満足度3

上バラ
残念ながら、旨みが抜けてしまっている感じで、若干パサつき気味。
満足度 2

ウデ
柔らかな食感はないが、代わりにしっかりした味わいが印象的。
肉質の良さは、サシの量ではなく、そのお肉自体の『味』だと再確認できる。
満足度 3

外モモ
外モモというと硬めの肉質を想像するが、これが良い意味で裏切られた。
ふんわりと柔らかな食感で、ウデと同じ個体だからであろうか、とにかく味がすごくいい。
満足度 4

内モモ
モモの中でも赤身とサシのバランスが良い内モモは、かなり好きな部位。
コクのある赤身の旨みを邪魔しないサシの上品な甘さにうっとり。
満足度 5

サーロイン
サーロイン特有の食感と赤身の旨みが弱いが、サーロインと部位にとらわれず、『適度な厚みのあるお肉をタレで食す』という方向性で考えれば、十分過ぎる。
満足度 3

上芯玉
個人的に"くにもと"で一番のお気に入りの部位。
牛そのもの、熟成、カット、味付け、その全てが完璧。
これだから"くにもと"通いは止められないのだ。
満足度 5

盛り合わせが旨いと、その後の追加オーダーも歯止めが効かなってしまう(笑)
ここから怒涛の追加オーダー。
ランプ
しっとり、ジューシーで肉汁は豊富だが、旨みがちょっと弱い。
ただし、これも焼肉としての旨さを考えると十分過ぎる。
満足度 3

トモサンカク
蕩ける食感を楽しむ薄切りカットではなく、ある程度の厚さがあるのが嬉しい。
牛そのもののポテンシャルなのか、完璧な熟成なのか、その両方なのか、とにかくコクのある旨み。
満足度 4

カイノミ
モモ系だけじゃなく、バラの旨さも特筆モノ。
タレとの相性も完璧。
満足度 4

切り落とし大盛
切り落としたのではなく、わざわざ切り出したのではないか、と思える切り落とし。
形が不揃いで焼き難いの普通だが、この切り落としはなんとも見事。
切り落としのお手本と言える。
満足度 4

上ミノ
程よい食感、程よい味付け。
満足度 3

冷麺
冷麺に入っているタタキってあまり好みのものに出会ったことがなかった。
しかし、ついに出会ったのだ。
今回、麺にちょっと粉っぽさが残っていたが、"くにもと"の冷麺って〆には最高の冷麺。

それにしても"くにもと"には、サシに頼らない本当に旨いお肉が揃っている。
それをさらに活かすお店の方の仕事が本当に素晴らしい。
それに加え、甘みの強いモミダレに、柑橘系のツケダレは私が考える理想のタレの一つ。
職人としてのマスターの誇りに感服すると共に、他のスタッフの方の一生懸命さにも"くにもと"に惹かれる理由はあるだろう。
ところで、本店のみに存在する『上出来』は5月でなくなってしまうらしい。
基本的にはあまり頼まないのだが、選択肢が減るのは残念。