No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2012年6月22日 七厘


オープンしたてならまだしも、オープンから何年も経っているのに成長し続けるお店というのは滅多にないだろう。
初めて"七厘"を訪問したのが約4年前。
当時から良いお店であったが、それから訪問するたびにその進化を見せつけられる。
人気店になるにしたがって質の下がるお店が散見される中で、予約困難な人気店になっても更に質が上がるのは、店主の中原さんの気持ちと努力の賜物であろう。
幻のタン
正真正銘、生の黒タンの根本と先、筋の盛り合わせである。
生の黒タンの入手は本当に難しいと思う。
それでも常に上質な物を揃えているという凄さ。
本物の風味と肉汁の旨みに感服するしかない。
満足度 5


サーロイン
肉質の差が最も出やすいのはサーロインではないだろうか。
脂の甘み、香り、融点、後味、そして赤身の旨みや肌理、これらがモロに出てしまう。
だからこそ"七厘"でサーロインを食べる度に驚かされる。
その全てを高水準で満たすサーロインが常にあるのだ。
10回、20回通っていれば、当然ブレもあるが、下ブレは非常に少ないし、そんな時でも他のお店より格段に素晴らしいレベルだ。
今回のサーロインもまろやかな甘みがあり、赤身の肌理が非常に細かい。
満足度 5

巻きロース
最近ロースの中でも巻きの美味しさを忘れかけていたのだが、この巻きを食べて目が覚めた。
じゅわっと湧き上がる肉汁は、赤身の肉汁というよりも溶けた脂が多い。
だが、この肉汁が非常にさっぱりとしていて旨みが強いのだ。
満足度 5

ブリスケ
蕩ける食感ではなく、噛み締めることで感じる赤身の肉汁が旨い。
赤身の濃さがある。
満足度 4

ミスジ
独特の甘みのあるミスジ
繊細な食感だが、思い切りの良さを感じさせるカットで食べた時の満足度が高い。
満足度 4

ランジリ
サシは少ないが、水分の飛ばし方が絶妙で旨みの凝縮感がある。
いくらでも食べれそうな感じ。
満足度 4

ヒレ
ヒレ特有の繊細な肉繊維が、ほぐれながら旨みが口の中で広がる。
厚さを感じさせない食感で、純度の高い肉汁を堪能。
満足度 4

イチボ
脂が太くても筋っぽくなく、しっとりとした赤身からは深いコクが感じられる。
満足度 4

この外れの無さぶりもすごい。
一頭買いならではなのだろうが、外さないのは目利きの良さなのだろう。
何を食べても旨いって、焼肉の世界では特にすごい事ではないだろうか。