No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2012年1月31日 キッチャーノ CHICCIANO


今年は自分の幅を広げる為に、焼肉以外も積極的食べていく以外に、黒毛和牛以外も積極的に食べていこうと思っている。
そんなわけで、巷で話題の肉イタリアン"CHICCIANO"でドライエイジング熟成肉を食べてみた。
"CHICCIANO"のオーダーは、全員コースを頼んでメインのお肉のみを各自がセレクトする形式で、私のようにお肉だけ食べたい人にはちょっと辛いところもある。
ただ、全体的にどれも旨いので、不満にはならないだろう。
パスタで選んだ北海道産黒毛和牛のテール煮込みのパッケリは、テールの塊がお皿の上で一際存在感を出している。
濃い目の味付けで、パッケリがよくすすむ。
満足度 4

メインのお肉はいけだ牛のサーロインを2人で500gお願いした。
いけだ牛は、熊本系の褐毛和種を北海道池田町で育てたもの。
28日間ドライエイジングされたというサーロインは、適度な熟成の風味と共に赤身に味が乗っている。
噛み締めた時の食感は黒毛和牛のような繊細さはなく、ハラミのような太目の肉繊維で、十分に肉汁を保持している。
また、口に広がる脂から、イメージと違ってかなりサシが入っているのが分かるが、黒毛和牛のような甘みではなく、非常に淡白な感じ。
満足度 4


想像以上に旨かったので話を聞くと、比較的肥育期間の短めな褐毛和種だが、今回の個体は肥育期間も27ヶ月で雌牛ということなので、一般的な褐毛和種よりも、より赤身に旨みが乗ってきているのかもしれない。
この辺りはもっと食べ込まないと分からないだろう。
帰りに熟成庫を覗いて、今回食べたお肉を見てみたが、びっしりと入ったサシには驚かされた。
放牧期以外は、かなり穀物肥育されているのだろう。
当然のことながら、褐毛和種は決して旨くないのではなく、相当旨い。
ただし、この旨さを引き出すには様々な条件が必要なのだろうが、特にドライエイジングとある程度厚みのあるカットでの火入れは必須だと思われる。