No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

焼ニシュラン【番外編】 -2017-

焼肉屋さんだけに絞った焼ニシュランから遅れること1年、2012年から番外編として焼肉屋さん以外の肉料理屋さんについて発表しているのが焼ニシュラン【番外編】。
焼ニシュラン同様に、2017年に食べた中で特にオススメ店のみをセレクトしてみた。
(諸注意)
・2017年に食べた物だけで判断しているため、どんなに良いお店であっても2017年に食べていなければここには載せていない。
・食べてはいても、たまたまハズレだった場合には載せていないし、逆もまた然り。
・最初に書いているが、あくまでも私個人の主観。
☆☆☆【このお店の存在自体が奇跡だと思う】
[あら皮(神戸)]
東京の"あら皮"や"哥利歐"とは経営が違う神戸三宮の"あら皮"。
『東の次郎は鮨を握り、西の次郎は肉を焼く!』と小山薫堂さんに言わしめ、肉焼き名人として賞賛されていた山田次郎さんのステーキをかつては食べることができた。
現在は次男の山田三也さんがシェフとして炉窯の前に立ち、さらにその息子さんがサポートをする。
冷蔵庫から取り出されたブロックは濃い小豆色。
分厚くカットされた牛肉は串を打たれ、炉窯に入れられる。
山田さんの全神経は炉窯の中の牛肉に向けられ、一刻一刻の変化を逃さない。
そして、表面を紙1枚の厚さでパリッと焼き上げながら内部はうっとりするような赤みを残して仕上げている。
一瞬生焼けかと思ってしまうその焼き上がりは、食べてみると中心までちゃんと火が入っていて、赤身の旨みが最高潮に解き放たれるアメージングな加減だ。
焼き技術もさることながら、最も驚愕すべきは素材である牛肉そのもの。
ここまで味わい深く、繊細な食感のものには生まれてこの方出会ったことがない。
近年は炉窯ステーキのお店が増えたのは嬉しい限りだが、素材と火入れ共にこの”あら皮”が抜きんでているのは否定できない。
何がここまで違うのか、それがはっきりとは分からない。
ただ、その圧倒的な味わいの差は紛れもない事実なのだ。
牛肉を食べて震えた経験のない人は、ぜひ神戸三宮の"あら皮"を訪れてみて欲しい。
(写真禁止)
[くいしんぼー山中]
牛肉の世界にハマり始めた頃、雑誌やテレビ、ネットの情報を重宝し、それらを盲目的に信じていたかもしれない。
そして欲望の赴くままに食べて食べて食べ込むにつれて、それらの作り込まれた情報がほとんど必要なくなった。
膨大に溢れている情報の中に僅かに混じる本当に必要な情報だけを拾い上げるだけだ。
溢れた情報に溺れない為には最低限知っているべきことがある。
食は結局のところ好み。
好みは千差万別。
唯一無二の正解など存在しない。
だからこそ、溢れる情報を鵜呑みにするだけでなく、様々なことを知った上で自分の好みで選んで欲しい。
そして私の牛肉人生の中で最も衝撃的だったのが”くいしんぼー山中”との出会い。
今まで食べ込むことで出来上がった概念が一度に全て崩れ去った。
それほど今まで食べてきた牛肉と違う。
全くの別物だった。
店主・山中さんが牛肉に大事だとおっしゃるのは『照りと粘り』。
それらを併せ持つ牛肉は福永さんが肥育する近江牛
兵庫県産但馬牛を素牛とし、特に美方郡産を中心に肥育を行っている。
月齢はそのほとんどが38ヶ月位で、もちろん全て未経産の雌牛のみだ。
そして味を追求した結果、一切のビタミンコントロールを行わない。
福永さんの近江牛はセリに出ることがなく、山中さんの元に送られる。
高値で競り落とされる様にサシを入れる必要がないのだ。
だからと言ってサシが不要なわけではない。
ビタミンAを欠乏させることなく、じっくりと手間暇をかけて飼い込んだ牛であるという条件の下、サシは無いよりもあった方が旨いと言う。
福永さんがここまで拘れるのは山中さんあってのものであろうし、山中さんが理想とする牛肉を扱えるのは福永さんあってのものだろう。
ここまでの関係が構築できて、初めてこの奇跡の牛肉が食べれるのだ。
そしてこれほどの牛肉であればこそ、鮮度が良ければ良いほど旨い。
屠畜して冷蔵庫で冷やし、カットを行い、それを発送するという工程を踏まえると、最も鮮度が良い状態で食べれるのが屠畜2日後。
肉運が強い人であれば、この屠畜2日後に出会えるかもしれない。
また、良い牛肉を表現する言葉として昔から『小豆色』という言葉が使われるが、今までこれ以上の小豆色は見たことがない。
肉の断面は空気に触れることで鮮やかな色合いに変化するのは承知しているが、それを考慮しても今まで見たこともないような深い小豆色の肉肌なのだ。
そして本来であれば判の大きなリブロースであっても、惚れ惚れするような判の小ささ。
とにかく"くいしんぼー山中"で非日常の牛肉をとことん食べみて欲しい。
間違いなく今までの牛肉観が変わるはずだ。

[にくの匠三芳]
和牛はその名の通り、『和』の食材。
その『和』の食材を昇華させるのが日本料理であるはず。
そして日本料理という枠組みの中でこれほどまでに和牛を昇華させるお店は全国を探しても”三芳”以外にないだろう。
祇園の八坂神社のほど近く。
伝統ある歴史と格式を感じさせる祇園の街並みに溶け込んだ店構え。
白地に"三芳"と染め抜かれた暖簾をくぐると、そこには伝統と革新を融合させた『肉の桃源郷』が存在している。
店内はカウンターとテーブル席があるができることならカウンターに陣取り、店主の伊藤さんの手際の良い仕事振りを目の前で楽しむことをオススメしたい。
割烹らしく丁寧な仕込みをされた素材がお皿の上で芸術品に変貌していく様に嫌でもテンションが上がる。
日本料理の世界を覗いてみると魚に比べて肉へのアプローチはかなり限定的なようだが、伊藤さんの手から生み出される肉料理はどれもしっかりした和食のテクニックを踏襲しながら食べ手の予期せぬサプライズが織り込まれている。
例えば、定番となっているタンの昆布締めはタンの水分が昆布に吸われ身が締まり昆布の旨みが見事に乗せられている上に、香りが際立つ温度まで絶妙な仕上がり。
またお皿の上には極められた美の世界が盛り込まれ、味だけではなく、見た目でも心から満足できる。
まさに牛肉を扱わせたら日本最高の職人といっても過言ではない。
そんな最高峰の職人が扱う素材は日々進化している。
純但馬血統の雌牛の中でも長期肥育された神戸ビーフ、特産松阪牛といった最高級の個体ばかりが鎮座し、心技体の全てのバランスがとれたように見える。
もちろん牛肉以外の素材も全てが選び抜かれた一級品。
最近は牛肉を扱った割烹系のお店も増えつつあるが、圧倒的に他のお店とは一線を画す。
決して安い価格ではないが、その素材と技術を考えれば間違いなく高くはない。
このお店を訪れるためだけに新幹線で京都に向かう価値がある。

[神戸牛炉釜炭焼ステーキIDEA銀座]
私の知る限り、東京で最も上質な牛肉を仕入れているのが銀座の炉窯ステーキ”イデア”。
黒毛和牛の中でも純但馬血統の雌牛、更にその中でも信頼する肉屋さんが長年培った目利きでその日の最高の個体だけを競り落とす。
生産者を限定していないのだが、最高峰を選ぶと、自然に特定の生産者の個体が多くなるのも面白い。
巷で流行っているような熟成ではなく、適度に肉の状態が落ち着いた頃にお店に送られてくる肉のブロックは、しっとりと艶やかで、肉色が濃い。
そんな最高の牛肉を焼くのは、”あら皮”、”ドンナチュール”、”トロワフレーシュ”といった炉窯ステーキの名店を経験してきた菅井さん。
特注の大きな炉窯と対話するように肉に火を入れる。
“あら皮”の影響を強く受けているステーキは、特注の炉釜によって表面はカリッとしていながら、その数ミリ下からはビロードの様な肉肌が姿を見せる。
もちろん中心までしっかりと炉釜の熱は届いている。
ステーキを噛み締めれば、その個体の持つポテンシャルが花を咲かせ、香りが鼻腔をくすぐり、旨みが舌を包み込む。
また、正肉以外にも炉窯で焼いた黒タンのプルンプルンとした食感は規格外で、焼肉では決して体験することのできない域に達している。
他では真似のできない仕入れ、円熟味を増してきている菅井さんの火入れ、停滞することのない進化を常に体感し続けていたい。
※菅井さんは2018年9月現在、”イデア”ではなく”GINZA KOKO炉”にてステーキを焼いている。

☆☆【一度でも食べれば完全にお店の虜になってしまう】
[三田牛竈炭火焼ウェスタ]
東京をはじめ、全国的に増えてきている炉窯ステーキ。
本物志向のお客さんが増えれば、自然と増えてくるのも頷ける。
かつて炉窯ステーキと言えば”あら皮”の専売特許みたいなものだったが、”ドンナチュール”のオープンを皮切りに、炉窯を搭載したステーキ屋さんがどんどん増えてきた。
炉窯のステーキ屋さんと言っても、焼き手によって焼き方が違ったり、炉窯自体の癖による違い、また扱う肉の方向性が全然違ったりして、お店が増えても食べる側には楽しみが増える一方だ。
そして、2015年に“哥利歐”のスタッフ数名が新天地としてオープンさせたのが”ウェスタ”も3年目に突入。
2017年は2016年の様に三田市肉牛共進会の名誉賞の個体を食べることは出来なかったが、扱う肉は”あら皮”と同じように三田牛の中でも生産者を絞ったもので、三田まで直接足を運び仕入れることが出来るようになったというだけあり、間違いなく旨い。
今後、本家である”あら皮”を超える存在になるか、食べながら見続けていきたい。

[ヴィティス]
高級ステーキの代名詞である炉窯ステーキ。
店主である結城さんは“あら皮”の姉妹店である“哥利歐”で過去に7年半腕を磨いたオーナーシェフで、結城さんが焼き上げるステーキは“あら皮”譲りの正統派。
コースは日によって内容は変わるが、牛肉以外にもスモークサーモンとコンソメスープは"あら皮"の名残を強く感じさせてくれる。
扱う牛肉は純但馬血統ではないが、それは炉窯ステーキを身近に感じてもらうためかなり手頃な価格設定になっているからこそ。
それでものざき牛や田村牛といった最高峰である長期肥育の雌牛のみ。
また結城さんの火入れは、これ以上でもこれ以下でもない絶妙すぎ、さらに円熟味を増している。
結城さんの炉窯ステーキの裾野を広げる為の啓蒙活動故。
ぜひ本物をここで知って欲しい。

[西洋料理 島]
店主・大島さんは河村さんよりかなり前になるが、同じ様に"ゆたか"出身。
"ゆたか"系であるのでヒレの旨さは言わずもがなだが、この"島"の特徴はロースが飛び切り旨いことだろう。
雌の但馬牛の分厚いロースステーキは必食の価値がある。
ステーキの旨さは勿論だが、このお店の良さは大島さんや奥様、そしてお店のスタッフの方々の心地良い接客にもある。
店内に一歩入った瞬間からリラックスしてしまうような大島さんの笑顔、如何にお客さんに喜んでもらうかを考えたサービス。
とにかくこれほど居心地の良いステーキ屋さんは他にない。
"ゆたか"と比べると圧倒的に手頃な値段、そして優しい笑顔でリラックスしてお肉に集中できる居心地の良い空間。
行きつけにしたいステーキ屋さんNo.1だ。

[肉割烹上]
肉好きであれば惹かれてしまう肉割烹というジャンル。
関西であれば“三芳”や”いっしん”といった名店があり、ジャンルがその地に根付いているように感じる。
一方、東京に目を向けると、肉割烹を名乗るお店があるにはあるが、十分なクオリティに達したお店には出会ったことはまだない。
そんな中、初めて東京でも旨いと感じる肉割烹が2017年に誕生した。
田村牛や川岸さんの神戸ビーフを中心に仕入れていて、素材への拘りはトップレベル。
しかもコースの中身を考えれば、値段もかなりお得感がある。
素材の違いが分かり、インパクト重視で足し算ばかりのお店に興味がないようなら、”上”は絶対的にオススメできる。
オープンしたてでここまで出来るのであれば、今後が楽しみでならない。

[和田金]
月齢が浅く、サシが入っただけの松阪牛ではなく、とことん味を追求した松阪牛
和牛の聖地・松阪に存在する松阪牛の金銀。
その金とは"和田金"のこと。
"和田金"は松阪のすき焼きの元祖と言える存在で、信じられないことに自社牧場で肥育した純但馬血統の松阪牛のみを使用している。
自社牧場で肥育された松阪牛は、もちろんセリに出されることがない。
その為だろうか。
意図的にサシを入れるようなこともなく、小豆色と呼ぶに相応しい肉色。
そして"くいしんぼー山中"で食べる福永さんの純但馬血統の近江牛に近い食感と深い味わいを持つ。
松阪牛の中でも純但馬血統の個体が非常に稀といれる時代に、自社牧場でとことん味を追求した純但馬血統の松阪牛をいつでも食べれるという奇跡のありがたさが分かるだろうか。

[牛銀]
和牛の聖地・松阪に存在する松阪牛の金銀。
その銀とは"牛銀"のこと。
かつては特産松阪牛しか扱ってなかった”牛銀”も、ここ数年は純但馬血統ではない松阪牛を扱い始め、いつでも特産松阪牛が食べれるわけではなくなってしまった。
松阪を支える老舗だからこそ、そこは拘り抜いて欲しいが、特産松阪牛の肥育頭数の減少や経営を考えれば、批判することは出来ないだろう。
ところが、幸運にも2017年の訪問当日は特産松阪牛が入荷していた。
しかも牧場訪問した畑さんと藤原さんの肥育した特産松阪牛
どちらも特産松阪牛らしい、本来の松阪牛らしい、素晴らしい味わい。
採算度外視で特産松阪牛を残そうとする生産者を支える老舗の底力を感じずにはいられない。
松阪を、日本を代表するすき焼きの老舗。
この拘りをいつまでも持ち続けて欲しい。
そして、この拘りをより強くし続けて欲しい。
“牛銀”にしか出来ない役目があるのだから。

☆【自分だけでこの感動を味わっていいのだろうか】
[窯焼きステーキ福田]
“福多亭”を離れた福田さんが新しくオープンさせた”福田”。
かつて”福多亭”がオープン間もない頃に食べた福田さんのステーキは、炉窯の特性を掴み切れていない印象が若干あったが、それから数年。
扱う牛肉の質も、炉窯での火入れも、数年前とは比べ物にならない程の進化を感じる。
真摯に牛肉に向き合う志の高さがこの進化を推し進めているのだろう。

[紀茂登]
ここ数年常々想っていることだが、和牛はその名の通り和の食材。
だからこそ、日本料理のトップの料理人に本気で和牛に向き合って欲しいし、向き合った和牛料理を食べてみたい。
そんな想いが遂に叶う時が来た。
牛肉が好きで、焼きことも好きだと言う木本さんの言葉通り、今まで日本料理のお店では出会ったことのないレベルの牛肉、そして計算し尽くされた火入れ。
この日は群馬県産黒毛和牛の雌のシャトーブリアンだったが、日によって純但馬血統の雌も入荷するようだ。
肉への拘り、火入れのアプローチ、話せば話すほど共感してしまう。

[銀座吉澤]
上物屋として有名な芝浦の仲卸問屋”吉澤畜産”を母体に持つのが”銀座吉澤”。
牛肉業界で上物屋とは、文字通り上物、つまり全国の牛飼い名人達が肥育し、味はもちろん等級も上の特選の黒毛和牛を扱っている問屋のことだ。
そんな”吉澤畜産”がセリ落とした中でも最上級品は何処にいくのか!?
それが”銀座吉澤”なのだ。
一般的に肉屋さんが手掛けている飲食店は、肉屋が量をさばくのが目的で扱っている肉の中でも上のものを飲食店で使うことはほとんど聞いたことがない。
だが、”吉澤畜産”の冷蔵庫に吊るされた極上の雌の黒毛和牛の中の最高峰はほとんど”銀座吉澤”に運ばれ、すき焼きやオイル焼き、ステーキで食べることができる。
松阪牛を始め、近江牛、奥州牛など、その時々で最高の物が食べれるが、運が良ければ月例47ヶ月の純但馬血統・特産松阪牛が運ばれて来ることもある。
その深みのある香り、舌を覆い尽くすような濃厚な旨み、繊細な食感、全てがここでしか味わえない本物であった。
ちなみに精肉店を併設しており、飲食店で食べるものと同じ肉を購入できる。
肉好きが訪れたら、目の前のショーケースに釘付けになるだろう。

[岡半]
私の中の「関東三大すき焼き」と言えば、"人形町今半"、"銀座吉澤"そして"岡半"である。
そんな"岡半"では田村牛が堪能できる。
すき焼きで食べるリブロースは圧倒的な滑らかさと甘み、そして豊かな肉の味わいが五感を刺激する。
ちょっと贅沢をしたヒレのすき焼きも絶品。

[牛寶]
値段の事はさておき、贅沢を楽しむという素晴らしい時間が味わえる。
拘りの肉質や熟成云々より、料理1つ1つに対するドンピシャな味付けと店主のホスピタリティに魅了される。
“かわむら”的な楽しさなのかもしれない。
唯一無二の空間を味わえたことに感謝したい。

[銀座うかい亭]
“うかい亭”以外の鉄板焼きに行きたい、と思わなくなってから何年経つだろうか。
何故”うかい亭”だけが違うのか。
色々考えたが、答えは「クオリティ」に行き着く。
扱う牛肉、それを焼き技術、他の食材との組み合わせ、全てのクオリティが他の鉄板焼きでは体験したことのないレベルにある。
分厚いステーキを焼く最上の方法というと炭火というのを思い出しがちだが、鉄板による火入れは炭火にはない良さが詰まっている。
内部までじっくりと熱を伝えることができ、焼きムラ無くカリッと仕上がる。
“うかい亭”のステーキに、油っぽいイメージは皆無だ。
私が生れて初めて震える程感動した食べ物は、20年近く前に”うかい亭”で出会った田村牛。
それから色々な焼き手にお世話になったが、今でもそん当時の焼き手が一番のお気に入りでお世話になっている。
鉄板焼きの真髄を味わうのであれば”うかい亭”しか思いつかない。

[一富士]
関東は関西に比べて肉割烹系のお店が少ない。
そんな関東で貴重な牛ホルモンに特化したお店が"一富士"だ。
場所は千駄木駅から徒歩数分という場所で、あまり便利とは言えないが、一度その世界を体験したのであれば、距離など全く気にならないほどの肉料理の数々に味わえる。
コースの中のメニューはどれも秀逸だが、串に刺したレバにニラが乗せられたレバニラや一度煮込んでから焼き上げるテール焼きも特にオススメ。

[たきや]
関西を中心に馴染みの深いビフカツの旨さに異論を挟む者はいないだろう。
これが牛肉の天ぷらになるとどうだろうか?
食べたことのある人は少ないと思うが、正直あまり旨そうな想像が出来ない。
しかしそれは思い込みにすぎない。
天ぷらに合う牛肉、火の入り具合、香りや旨みの膨らみ等、全てを計算し尽くした笠本さんが揚げる牛肉の天ぷらが恐ろしく旨い。