No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

肉紀行

2016年10月26日 くいしんぼー山中

365日欠かさず思うことがある。 『旨い牛肉が食べたい』 雨の日も、風の日も、雪の日も、お正月も、風邪をひいても、どんな日でも想いは変わらない。 それを叶えてくれる場所が”くいしんぼー山中”だ。 “くいしんぼー山中”で初めて食べた日の事は今でも忘れら…

2016年9月29日 焼肉 すどう 春吉

溢れだすほどの熱意と研鑽された技術を持つ職人は新たな境地に辿り着いていた。 高級食材に頼ることなく、焼肉屋の食材の範疇で作り出される作品。 他店の良いところは貪欲に吸収するが、決して単なる模倣ではない。 オリジナリティもふんだんに溢れている。…

2016年9月29日 玄風館 千代店

お店に入った瞬間におばちゃんから「おはようございます!」という声がかけられる。 焼肉屋で「おはようございます!」とは、、、 “玄風館”は朝10時から営業しているとんでもないお店なのだ。 ちょい早めのランチだったが、おばちゃんに勧められるままカルビ…

2016年9月17日 徳山

人口に対する焼肉屋の数が日本一多い街・飯田。 精肉店ではBBQセットが借りられ、各家庭では焼肉用のタレを自作する文化があると聞く。 さすがは生活に焼肉が溶け込んだ焼肉タウンである。 ただし、かつては牛の肥育から屠畜、そして消費まで市内で完結して…

2016年7月5日 ビーフステーキの店 ひよこ

道路に面してホッタテ小屋の様な建物。 お店の前には”ひよこ”と書かれた看板。 そう、これがあの”ひよこ”である。 店内はカウンターのみで、詰めて座って7人位が限界の広さ。 壁には高倉健と一緒に撮った店主・林さんの写真が飾られいて、隣にはその存在を知…

2016年6月17日 にくの匠 三芳

最高の職人は 最高の素材を求める。 素材の刺激が職人をさらに育て、職人の思いが素材をさらに良くする。 兵庫の川岸さんが肥育した神戸ビーフの中でもピンのピンだけが最高の職人のもとに届く。 稀代の職人、"三芳"の伊藤さんの手にはこの日もとんでもない…

2016年6月17日 くいしんぼー山中

その幻の和牛は1頭もセリには出ない。 血統をとことん吟味し、手塩にかけて肥育するのはわずか60頭ほど。 和牛の聖地である兵庫県美方郡産の雌の但馬牛を月齢38ヶ月まで肥育する。 サシを入れるためのビタミンコントロールは一切行わない。 その和牛を何十年…

2016年4月11日 政ちゃん

その存在をしてからずっと行ってみたいと思っていた焼肉界のレジェンド”政ちゃん”。 しかしながら、予約を取る術が全くなく、完全に諦めてしまっていた程なのだが、幸運にも予約をしている方から誘ってもらえる機会に恵まれ、遂に初訪問という念願が叶った。…

2016年4月11日 熟成肉と本格炭火焼肉 又三郎

昨今の牛肉業界ではとにかく熟成肉がもてはやされているいる。 基本的に全く熟成しないフレッシュな状態で牛肉を食べれる機会はほぼなく、程度の差はあれ熟成された牛肉しか食べれないのが現状だ。 熟成肉の定義は非常に曖昧だが、世の中で熟成肉と呼ばれ区…

2015年12月16日 くいしんぼー山中

11月の終わり頃だろうか。 夕方バイブで震えるスマホに出ると聞き覚えのある声。 12月にかなり楽しみな個体を屠畜するので都合があえば食べに来て欲しい、との連絡だった。 「あいつにこれを食べさせてやりたい」 リスペクトする方にこんな事を思ってもらえ…

2015年11月11日 にくの匠 三芳

和牛はその名の通り、『和』の食材。 その『和』の食材を昇華させるのが日本料理であるはず。 魚介類や野菜類へのアプローチはどこまでも深く、素材への拘りや多彩な調理法、どれも心から素晴らしいと感じる。 それに比べて、和牛をはじめとした肉へのアプロ…

2015年11月11日 くいしんぼー山中

牛肉の世界にハマり始めた頃、雑誌やテレビ、ネットの情報を重宝し、それらを盲目的に信じていたかもしれない。 そして欲望の赴くままに食べて食べて食べ込むにつれて、それらの作り込まれた情報がほとんど必要なくなった。 膨大に溢れている情報の中に僅か…

2015年6月8日 にくの匠 三芳

初めて”三芳”で伊藤さんの肉料理を食べた時の衝撃は今でも覚えている。 既存の概念に捕らわれず、クリエイティブな発想で今までにない肉料理に溢れていた。 しかし、同時に感じたのが、肉についてはまだ改善の余地があること。 ところが、伊藤さんの探求心は…

2015年6月8日 くいしんぼー山中

外国産牛肉の輸入自由化の頃から、元々霜降りの入りやすかった黒毛和牛は、価格の安い外国産牛肉との差別化を図り、多くの生産者が更なる霜降りの追求一辺倒に走ってきた。 「A5」といった霜降りの状態を示す格付けだけを盲目的に信仰する流れもあった。 脂…

2015年6月 満月

何年か前に雑誌「Dancyu」でその存在を知ってからずっと気になっていたお店。 今回は店主・徳山さんの従姉妹の方にアテンドしてもらうという奇跡の会に参加させていただいた。 身内用のスペシャルお任せコースはとにかく想像を超えるものであった。 前菜のキ…

2015年6月 あら皮

ミシュランでステーキ初の二つ星獲得し、小山薫堂氏に『東の二郎は鮨を握り、西の二郎は肉を焼く』と言わしめ、世界一と言われるステーキ。 故・山田二郎氏の逸話は多く、肉はもちろん牛を見る目、そして肉の火入れは、他者を一切寄せ付けないレベルにあった…

2015年5月20日 みやす

散々肉を食べまくった結果、個人的に日本一のステーキだと感じたのが"神戸あら皮"。 とにかく圧倒的に肉が違う。 信頼を寄せ、長年付き合っている生産者に"神戸あら皮"用の飼料を与えてもらい、"神戸あら皮"の為だけに肥育してもらっている牛を使っていると…

2015年5月20日 竹園

但馬牛に拘り続ける老舗の"竹園"。 昔ながらの但馬牛を追い求め、目利きにかなった枝肉だけをセリ落とし、骨付きでじっくりと熟成させる。 その噂はずいぶん前から聞いていたのだが、今回が初訪問。 久しぶりの鉄板焼きだ。 まずはコンソメスープから。 「お…

2015年3月4日 にくの匠 三芳

『和』の食材である和牛を和食というジャンルで追求した場合、現時点で断トツの独走状態なのが”三芳”だろう。 “三芳”の店主・伊藤さんの料理を食べる度に、和牛の無限の可能性を感じずにはいられない。 お肉のお出汁 コンソメのようなインパクトはないが、し…

2015年3月4日 くいしんぼー山中

滋賀県の福永さんが肥育する近江牛。 牛肉に携わる全ての人に1度は必ず食べて欲しい牛肉だ。 いや1度は食べるべき牛肉だ。 兵庫県産純但馬血統の子牛の中でも、特に蔓がしっかりと守られた但馬牛の聖地・美方郡の子牛を中心にしている。 サシを入れるための…

2014年11月10日 甲

以前から興味あった”甲”。 今回は初訪問ながら時間がなくてお店の滞在時間は20分程度。 バタバタでちょっとつまむ程度という感じで、お店の方にも申し訳なかったのだが、次回はもっとゆっくりとします。 “甲”は自分のお店で子牛を競り落として信頼している近…

2014年11月10日 にくの匠 三芳

世界遺産にも登録された和食。 日本になじみの深い食材を用いて、日本の国土、風土の中で独自に発達した料理。 この世界遺産『和食』に仮に牛肉部門があったとしたら、間違いなく頂点に君臨するのが”三芳”だろう。 初訪問時から店主・伊藤さんの牛肉を扱う確…

2014年11月10日 くいしんぼー山中

昔ながらの黒毛和牛とはどんなものなのだろうか。 本物、偽物という言い方ではなく、「昔ながら」という表現が正しいのではないかと思う。 牛肉自由化をきっかけに霜降り信仰へ傾斜していった黒毛和牛から「昔ながら」の良さが失われつつある。 こんな事を書…

にくの匠 三芳

"三芳"の店主・伊藤さんのお弁当。 1つはヒレステーキにタン芯添え。 もう1つはサーロインステーキにタン芯添え。 お弁当ということで側面にも火をいれてくれてる。 前日のスペシャルコースを思い出すハイクオリティなお弁当。 ご馳走様でした!

にくの匠 三芳

焼肉、ステーキ、すき焼き、しゃぶしゃぶ、、、牛肉を楽しむ料理は様々な形で独自の進化を遂げているが、至極シンプルな調理方法が多い。 素材自体のポテンシャルが高いため、その持ち味を活かすことを考えると、こういった流れになりやすいのだろう。 逆に…

くいしんぼー山中

日本一予約の取れないステーキ屋"かわむら"。 食通と呼ばれる方から各界の著名人が日々極上のステーキに舌鼓を打っている。 店主・河村さんは『和牛の持つ繊細さや味の深さが凝縮しているのはヒレであり、上質な和牛のヒレは水のような澄み切った味わいがあ…

2013年11月19日 関西・東海肉紀行 その2

前日たらふくお肉を食べた影響で朝からすこぶる体調が良い。 朝はホテル近くのカフェで久しぶりに炭水化物を摂取したが、やはりお肉のない食事って寂しいなぁ。 肉不足をうっぷんをはらすかのように、朝食後は再びレンタカーに乗り込み目的地へ向かう。 車を…

2013年11月18日 関西・東海肉紀行 その1

和牛を食べて食べて食べ込んいく過程で、自分の常識の範囲を超えるような衝撃的なお肉達に出会ってきた。 そういったお肉達を追求する上で避けて通れないのが但馬牛の存在だ。 全国の都道府県で他の都道府県の優秀な血統を導入しながら和牛血統改良が行われ…

関西肉紀行2013 その2

2日目は6時30分に起床。 前日、"福多亭"でお土産としていただいたローストビーフのハンバーガーを食べ、身体のスイッチを入れる。 サシがしっかりと入ったサーロインのローストビーフであったが、しつこさはなく、お肉を欲した胃袋にあっという間に消えてし…

関西肉紀行2013 その1

肉、肉、肉。 肉を追い求めながら生きているが、『肉』を追い求めれば必然的に『牛』にも感心が行き着く。 『肉』しか知らない自分がいて、『牛』を知りたい自分がいる。 そして『牛』から『肉』へ変わる瞬間も。 2013年3月26日早朝、東京駅の新幹線乗り場に…